006：ここが帰る場所です ページ7
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「うわここ何？すごくない？」
「めちゃくちゃおしゃれやん」
「ゲームいっぱいあるじゃん！」
大きな荷物を持って共有スペースに入ってきた11人。今日から入居らしく、立ち会って欲しいとのこと。
わたしのことを見つけるやいなや「センさんだ！」「久しぶりやん〜元気しとった？」と話しかけてくれる鶴房くんや河野くん。『スタッフさんから説明あるのでもうすこし待っていてください』と言ったあと、周りをきょろきょろと見るみんなを見て微笑ましく思った。
壁をぶち抜かれて共有スペースとなったフロアの
家具やら配置やらはわたし好みにさせてもらったので(請求書まとめたら必要経費で落としてくれるって言うからこだわっちゃった！)少しでも気に入ってくれたようで何よりだ。みんなが家族みたいに寛げる場所になればいいな、なんて心の中で思った。
〈改めてデビューおめでとう。今日からここで寝食を共にしてもらう訳だが、それにあたって紹介しておきたい人がいる。ここの管理をしてもらうセンさんだ。じゃあ、早速だが自己紹介を頼む。〉
『はい。覚えてくれている方はお久しぶりです、センと申します。大学に通いながらカメラマンをしていて、このフロアの端っこの部屋にご厚意で住まわせてもらっています。ここの管理等も仰せつかったので、不在の日もありますが、困ったことがあったら何でも言ってください。改めてよろしくお願い致します。』
社長さんから直々にお祝いの言葉の後、自己紹介をした。管理担当とは聞いてないけど、社長さんに言われたならまあそうなんだと思う。それはそうと拍手の音圧がすごい。久々に浴びる感覚にちょっと眩暈がした。何はともあれ、歪な共同生活がはじまるらしい。
じゃあ早速、11人の日常、ファインダー越しに覗いてみましょうか。
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作者名：悠 | 作成日時：2020年9月16日 10時
