フォトフレームに愛をこめて (ページ21)

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018：肩の力を抜いて（2）ページ21

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「どうしたら、不安って無くなるんだろうね」
『人間って難しいですよね』
「時々、俺がリーダーでいいのかな、
ちゃんとできてるんかなって思っちゃうよ」
『ずっと完璧でいようなんて思わなくていいと思います。
そのままの奨さんで十分だし、みんな傍に居ますよ』
「Aちゃん達観してるって言われない？
…ありがと、ちょっと元気出たかも」
『環境のおかげですかね。こちらこそ、当てのないドライブにお付き合いありがとうございます。』

メンバーにバレたら詰められそうだね、と言った奨さん。
確かに翔也くんとか豆ちゃんに茶化されそうな感じはする。
表情は見えなくても、空気が少し明るくなった気がした。

『朝ごはんでも買って帰りましょうか。
そういえばこの道によく行くパン屋さんがあるんですけど、寄っても大丈夫ですか？』
「勿論。こんな時間に開いてるの？すごくない？」
『オーナーが変わった人なんですよね、気に入ってもらえるといいなあ』

その広い背中に、すべてを背負おうとしなくてよいのだと、そう告げるように空が白み始めた。
近くなったら起こしますね、と後部座席の方を振り返る前に、小さな寝息が聞こえた。

優しいあなたを包むその夜も、
どうかあたたかいものでありますように。
そんなことを考えて、静かにアクセルを踏むのだった。