プロローグ2 ページ2
「おはようございます」
出勤しスタッフへ挨拶をする。
作業の手を止めて「あ、Aさん。おはようございます」と口々に返事をくれるが、1人だけ声が聞こえていないのか…一瞥もせずに作業する人物。
「平沼さん。おはようございます」
彼女の近くまで行き、名前を呼んで再度挨拶をした。
「あ、いたの?おはよう。
って、ねぇ。この前私が言ったこと分かってないの?」
そう言われ、なるべく事を荒立てないようこう返した。
「すみません。
メイクで少しはカバー出来てると思うんですけど…
ダメですか?
だとしても、もう、これ以上は…」
そう。
数日前、私はこの副店長から「あなたの顔、どうにかならない?目が大きすぎる、そんなんじゃお客様を威圧しちゃうでしょ。誰もあなたの顔なんて興味無いんだから、もっとメイクは控えめにしなさい。全く…どうして私がこんな事まで言わなきゃいけないのかしらね。本社ではそれで良かったかもしれないけど、ここはお店なんだから。それくらい分かりなさい」と注意を受けた。
近くでその会話を聞いていたスタッフが「平沼さん、それはさすがに理不尽だと思います」と、その場で庇ってくれたけど「私に文句を言いたいなら、もっと売上げ取りなさいよ。自分のことも満足にできない人が意見なんて言う資格ないのよ」と叱責されてしまい、私はいたたまれなくなってしまった。
そんな経緯があって、今日は本当にナチュラルメイクだったけど、結局平沼さんにとっては何も変わらないということらしい。
大学卒業後、私が就職したのは中堅の老舗靴メーカー。
もともと靴は大好きだったし、自分のイメージする靴をデザインしてみたいと思い、この世界を選んだ。
数年、店舗で経験を積み晴れて本社のデザイン部門へ異動になったのが今年の春。
今はお客様の声を実際に聞くため、3ヶ月だけ本店に販売応援として来ている。
「ところで…あなたの靴、なに?」
まだ言い足らないのか平沼さんがさらに私へ話しかける。
「あ、これ来季の新作なんです。
試作用で私のサイズで今回作ったので」
私が足元の靴に視線を落としつつ説明すると
「まだ店頭に並んでいないデザインを履いてくるなんて、どういうつもり?!」
それはそれは顔を赤くして怒っている。
「え…?いや…でも…
お客様の反応を知るためにも積極的に履くようにと言われていたので…」
そう反論したのがまずかった…
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匿名 - ?さん» ってか私が読んでいる作品の所に必ず現れますが随分とお暇なんですね(笑) いちいち私が見てる作品の所に来て楽しいですか?(笑) そこまでするって本当笑えますわ(笑) (2023年3月28日 22時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
? - 作者様、結という方は間違い探しオタクの荒らしなので無視していいです。最後まで間違い探ししまくってコメント欄埋め尽くした挙げ句最後に嫌味言う時点でもうお察しなので。 (2023年3月27日 23時) (レス) id: ce3d4ae5a1 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 続けてのコメントですみませんm(._.)m 最後に主人公ちゃんって靴をつくるメーカー(会社)で 働いていたんでんすね。 物語最初から読んでいる筈なのに分かりませんでしたよ(._.) (2023年3月27日 23時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結 - こんばんは(*^^*) 更新ありがとうございます。 物語無事に完結しましたね。 ハッピーエンドで良かったです。 物語は完結してしまいましたが。。。 その後の2人が気になります(笑) (2023年3月27日 23時) (レス) @page50 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結 - どうもです(*^^*) 更新ありがとうございます。 物語読みました。 今読んだばかりなのにもう続きが気になります。 更新待ってますね。 (2023年3月23日 18時) (レス) @page48 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プルメリア | 作成日時:2023年1月18日 8時