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SC side
「…今日の僕、おかしいです…(笑)」
「ふふっ、何処となくあなたがおかしいのは常に感じていたけどね(笑)」
「えっ、どういう意味ですか？(笑)」
悪戯に笑うAさんの、
以前俺が見ていた姿からは想像もつかないほど 無邪気な仕草。
Aさんが俺の腕の中に居る、
そんな特殊な事実を ようやく実感しては
また少し緊張してきた。
四年前、俺がここへ来た時には
Aさんは既に女性ながら楼主様として
この男だらけの城を率いていた。
背筋を常に伸ばし、礼儀や作法に厳しく、
どんな相手にも物怖じせず渡り合う。
例えるなら、厳しい冬にも凛と咲き誇る
真っ赤な椿。
…そんなひとだと、思っていた。
そして、憧れていた。
美しくて、強くて、痺れるほどに格好いい。
年齢を重ねるたびに増していく色気、
近付いたら酔ってしまいそうな芳香
…目を瞑りたくなるほどに魅力的だ、と
誰にも言ったことはないけど
そう、思っていた。
それでも勿論、楼主様は俺が気楽に接することの出来る人じゃなくて、
テヨンイヒョンやジェヒョニヒョンのように
限り無くAさんに近しい人たちしか、
その素顔は一生見れないんだろうと 思っていたけれど
数ヶ月前に俺の水揚げが決まって
なかなかそのお相手の方を知らされないな、とばかり 気楽に思っていたら
…Aさんが、直々に 俺の相手をしてくださるだなんて
その話を聞いた時、何がなんだか分からなくなるくらい驚いた。
それまで接点なんてまるで無かったものだから、
…下っ端の禿と楼主様だもん、
当たり前なんだけど
だからこそ、この急転直下の出来事には相当混乱していた。
そんな時だった。
“桜が散りかけているの。最後に見に行きましょう”
…そう言って、
Aさんは 俺を散歩へと誘ってくださった。
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
