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MK side
「ようこそ御出下さいました」
数日後、ミヒを俺の部屋へ迎え入れた。
相変わらず若干ませていて、でもそれが可愛らしくて
だけどふとした仕草や振る舞いが洗練されて
横顔は大人びて見えて
…ああ、ミヒは本当に 貴族の身なんだな、って
俺とは住む世界が全く違うんだな、本当は って
思い知らされたのが、嬉しいようで苦しい。
だけど今日の本題はそうじゃない。
…静かに決めてきた覚悟がある。
今日が、最後の夜になることを祈る。
もしも“そう”することが出来なければ
俺はもう誰の人生にも干渉しないだろう
だけど、
一縷の希望と、俺の力を 見捨てたくない。
俺の予想通り、「幼馴染」と言う単語を出した瞬間 ミヒの表情は曇った。
俺は自然に、あくまでも意図はしていなかったと言う風な顔をして
それでも内心は、少し緊張しながら
…ミヒにしっかりと、この思いと願いを伝えよう、と
自分に喝を入れた。
「…ミヒ」
「…」
「ずっと目を逸らし続けていたって… 何も変わらないと思う」
…もちろん、ジェノのこと。
ミヒに向けて言葉を一つ一つ選びながら話していても、
頭の片隅には
…俺らや色々な人から目を逸らし続けてる、
あのひとの 哀しそうな横顔があった。
「…、そんなわけじゃ…」
「じゃあどうして、縁談の話を何度も何度も断って… 此処にやって来るの？」
「っ…」
「ミヒがそのままじゃ、」
「マーク」
「…」
「…私、マークの昇進祝いをしに来たの」
「…ミヒ…」
「…あなたに説教されたくて来たわけじゃない…」
ミヒが泣きそうな顔をする。
それでも、ここで食い下がるわけにはいかない。
「…ごめん。俺が干渉すべきことじゃなかったよ」
「…」
「それでも…」
「なに、まだ言い訳するつもり？やめてよ、」
「でも俺、食い下がりたくない…」
「…っ」
「だって、ミヒには幸せになってほしいからっ、」
「…マーク」
…そうだ。
「幸せになってほしいから… 」
ミヒにも
Aヌナ、にも。
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
