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「楼主様、なんだかお久し振りですね」
「そうですね」
「お変わりないですか？」
「ええ、あなたは？」
「見ての通りイヘチャンは元気ですよ！ピンッピンです！」
「ふふっ、声が大きいですわよ」
特徴的な高い声で呼ばれたから、すぐに分かった。
そして、きっと
…マークも彼のそばに居るのだろうな、と。
私の予想は当たり、階段の下から駆けてきたヘチャンと
その奥に呆然と立って、私を見上げていたマーク。
太陽と日陰のようなその表情の違いに、
マークの 彼らしくない淀んだ瞳に
胸の奥がずきんと苦しくなったけれど
そんなこと 悟られたくもないから
マークが何か感じる前に、すぐ目を逸らした。
そんな私は卑怯者だと思う。
…こんな調子では、もう二度とマークとは分かり合えないな。
「…楼主様？」
「…え？ああ、なんですの？」
「珍しいですね、僕の話をあまり聞いてくれないって」
いけない、気を抜いてしまった。
ヘチャンは不思議そうに私を見つめてくるけど、その目の奥では もう既に何かを察しているようだった。
こういう時、彼が天性で持つ勘の良さに感心するし 嫌気も差す。
あどけないくせして、
嘘を簡単に見抜く彼の瞳。
怖気付くなんて、私らしくない。
…このところの私は、私を見失っているようだった。
私の半分が、いないから かしらね。
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
