第二場 ページ29
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無事にジョンウの水揚げの日程が決まった頃には、寒さがさらに冷え込む季節となっていた。
今日は新たに少年を一人、迎え入れる日。
…チェさんと顔を合わせなければならない。
仮眠を取ったのち 昼過ぎに目を覚まして
身支度を終えると、待ち合わせの場所へ歩き出す。
彼と肩を並べながら、花街の門を抜けた。
この
刺さる視線は、心地いいものとは言えない。
「…疲れているところ、申し訳ありませんわ」
「気にしないでくださいよ。一人で行かせる方がおかしいでしょう」
「……本当に、ありがとう」
「いえいえ」
にこりと微笑む姿に感じる、安心感。
最近、特に私への距離感がおかしいことになっているチェさんのもとへ、いくら仕事だと言っても向かうことには抵抗が拭いきれない。
私の我が儘だとは分かっていたけれど、
こうして テイルについてきてもらうことになった。
テイルは、現在働いている男娼の中で最年長。私とも殆ど年齢が変わらない。
…ヨンホにも言えることだけど、彼に置いている信頼度は 他の働き手たちとはまるで違う。
暫く町を歩けば、遠くの山に雪が積もっているのがよく見えた。
塀の外に出る機会がほぼ無い彼らのことだ。
テイルも久々の外出に、目を輝かせている。
「あ、団子食べたい。A… じゃなくて、楼主様」
「こら、そのようにわたくしを呼ぶのは…」
「ねえ、お願い。俺の奢りだから」
「…わたくしが払います。楼の皆には秘密ですからね」
「本当？やった！」
取り決めていた時間まで、少し余裕がある。
お茶屋に立ち寄っても、まあいいか。
景色がよく見える席に座り、テイルと向かい合えば なんだかおかしくて笑えてきちゃう。
そんな私を見て、みたらし団子を一口頬張りながら テイルも微笑んだ。
「で、最近どうなの」
「…敬語をお使いなさい」
「え〜、だめ？いいじゃん、誰も花街の人は見てないし。ここでは敬語を使ってる方が不自然だよ」
「…しょうがないわね。………ねえ、そのお団子美味しそう」
「美味しいよ。食べてごらん」
テイルの雰囲気が好きだ。
常に自然体で、飾ることもない。
素直に生きるその姿が、好きだ。
優しく、無邪気に笑う姿は
良い意味で以前から全く変わらなくて
テイルと居る時は 楼主という立場も忘れそうになる。
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むうみん - これもしかして、、ジェミン編もテヨン編とと同じ時間軸、世界線に存在してますか？面白すぎる、、いろんな主人公の視点で見れますね。官能的だし、すきです。言葉も難しいの多くてすごい、、応援してます (2021年3月14日 17時) (
レス) id: ad7920768e (このIDを非表示/違反報告)
ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン（テンも？）がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください！更新首を長くして待っています^^ (2021年1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年1月14日 17時
