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「…ヌナ」


「…なに?」


「…俺、ヌナのことが好きでした。多分」


「…」


「でも、貴女が違う って言うから。恋なんて、愛なんて、存在しないって譲らないから。だから、違うんだと思ってた」


「…」





私の髪を撫でる手つきが、
…かつて 私が彼にしていたそれとそっくり。


慈愛を込めて、優しさを込めて
大丈夫だよ、怖くないよ 私がいるよ、と

何度も何度も髪を撫でていた 在りし日のこと。



マークは、どこか悔しそうに押し黙ったあと

決意を秘めたような力強い目で
私を見つめた。






「…ヌナはさっきも言ったよね。恋愛は一種の熱病だって」


「…ええ」


「…俺、今 好きな人がいる」


「…!」


「お客様です。…なんか、気が強くて、言いたいことはズバズバ言ってきて、でもそのくせ甘えたがりなところもあって、そこが可愛くて。不正や筋の通らないことは絶対に認めない、強い心を持っている」


「…」


「彼女を思えば、嬉しいんだ。自分の生きる人生が、色づくみたいなんだよ。例え相手からは愛されなくったって、人を愛することって、楽しくて、幸せになれる」


「…マーク…」





…もう、やめて。

何も聞きたく無い。


彼の手首を掴むあたしの手は、震えてる。


マークはそんな様子を目に、

私の手を
…かつて私が 彼にやっていたように ね



やさしく、包み込んだ。







「熱病なんかじゃ、ないよ。勘違いなんかじゃない。……俺は、ヌナを愛する資格なんて、失ってしまったけど…」


「っ…」


「…俺、人を愛して愛されることの暖かさを、その温もりを、ヌナに知ってほしい。…独りきりの寒い、哀しい世界になんか… 閉じこもらないでよ…」


「マークっ…」


「……俺、今だけはヌナを愛したい」


「…、」


「…貴女を暖めたい」






色々 苦難を経験したはずなのに
それでもまだ淀みのないように見える瞳は

私の“願い”の結晶だ。




あの日の、あどけない 男の子。

そのまま大きくなって 私の目の前に居るみたい。





…そうよ、

純粋に マークを想っていた頃のあの気持ちは


きっと 家族愛に似た愛情だったんだと 思うけれど




そんなもの、信じてたって

最後には傷つけ合うのが 人間じゃない







ああ


またマークを


あたしは失望させるんだろう





多分、嫌われちゃうな


それでも いっか





あたしの心の均衡を保つこと、

それだけが 最優先。







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ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン(テンも?)がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください!更新首を長くして待っています^^ (1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月 | 作成日時:2021年1月14日 17時

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