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「あの髪、Aさんがやってあげたんでしょ?」


「…ええ」


「凄い綺麗な色してる。テヨンによく似合うな」


「…当たり前でしょう。あの子を一番に輝かせられるのは私なんだから」


「ははっ… そうだね、その通り。Aさんの手でテヨンはどんどん美しくなっていったよね… あんなに幼かったのに」


「…」


「テヨンが花魁になって…四、五年?もうそんなに経つんだ。大人っぽくなったなぁ…」


「……、」


「……ははっ、本当に… 貴女って人は…」






…お気に入りの人形を取り上げられた子供

そんな顔を、していたのかな。私は。




ヨンホが笑うと、顔の横に掛かっていた後れ毛が ふわりと浮く。


その微笑みと、橙色の光が射して

私の視界は震えていく。



ヨンホの大きな手が、私の頬に触れた。








「…本当は、嫌なんじゃないの。ああやってテヨンを働かせ続けること」


「っ……」


「このままずっと、Aさん以外の女性のために、あいつは働き続けるよ。…素直に、自分の気持ちを伝えてみたらどうかな」


「…」


「…Aさん…」


「…… …いつだって、出来るわよ。あの子を引退させて、あたしの間夫にさせることくらい」


「…」


「でも、あたしはあんな風に…」






一点だけを見つめて 優雅に八文字を描きながら歩くテヨンの姿。


どこか崇高な雰囲気すら感じる。
周囲の景色が霞むほどに、彼は存在感を放つ。


娼夫を嘲笑する町の人々ですら、
テヨンがひとたび歩けば 畏敬の視線で彼から目を離せない。







「…あんな風に、テヨンが輝く姿を、ずっと見ていたいと思うの。彼が舞う姿を、見ていたい。彼が誰よりも麗しく在る姿を、見続けていたい…」


「…、」


「……全然、そんなつもりで 彼のこと連れてきたわけじゃないのに。ただ、美しく育てば… 幸運ね、くらいにしか 思ってなかった」


「…」


「こんな風に、なってしまったことが あたしの人生で最大の誤算よ」


「…言いたいことは確かに分かるよ。花魁のテヨンは誰よりも輝いている」






そうだ。
絵画にして、その一瞬を永遠へ閉じこめておきたいくらいに テヨンの美しさには価値がある。

感動すら、覚える。


彼も舞を心から愛しているのは知っている。



例え身分は娼夫だとしても、

彼はただの身売りの青年なんかじゃない。




由緒正しきこの遊郭が誇る、


一世一代の 花魁なんだ。











だけど…






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ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン(テンも?)がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください!更新首を長くして待っています^^ (1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月 | 作成日時:2021年1月14日 17時

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