遊郭物語 -新都編- 伍 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:175,056 hit

＿ページ5

.

・

・

・

三月三十一日雨

いよいよ明日、テヨン、ユンオ、ドンヨンが
禿として客前に出る。

私はテヨンを部屋に呼び出して、
髪を白銀に染め上げた。

我ながら、人間らしからぬ強烈な美貌を放つその見栄えに感心した。

一年と半年で、彼はどこに出しても恥ずかしくない美少年に成長した。まさか彼が孤児の身だとは、お客様はおろか楼内の人間も誰も気付かないだろう。

テヨンはやや緊張した様子だった。
私は彼に、今まで自分が学んできたことを忘れずに、あとは誇り高きこの遊郭の男娼としての自覚を持って成り行きに任せればよいと助言した。その後いつものように夜を共にした。

なんだか、彼の寝顔を見ていると誇らしくなった。

彼を私の最高傑作だと思う気持ちと共に、
一人の男性としてずっとそばにおいて優しくしてあげたい、私の温もりを分けてあげたいと思う。

こんなにも矛盾した気持ちを抱え、葛藤しているなんて、私らしくない。

・

四月一日晴れ

ユンオには、ジェヒョン
ドンヨンには、ドヨンと源氏名を授けた。

三人が無事に禿として、初出勤を果たした。
立派な男娼に成長してほしい。
緊張している横顔も、今だけの光景と思えると微笑ましかった。

・

六月十日雨

嬉しいことが三つあった。

まずは、テヨンが振袖新造に昇格したことだ。
私が手取り足取り、昼夜を問わず教育を行った甲斐があった。それにしても、このような速さで昇格を果たすとは、彼には才能があるのかもしれない。

もう一つは、ミンヒョンが禿として働き始めたこと。

あまりにも幼すぎるという意見もあったが、
その幼さがきっとお客様の心を掴むだろう。
それに彼は非常に器用だ。
すぐに物事を吸収し、自分の武器とするに違いない。

お客様の御前に出るにあたり、
私は彼にマークという源氏名を与えた。

最後の一つは、ユウタとチッタポンを、
来月にも禿とすることが決まったことだ。

まだ言葉は未熟であるものの、
ユウタは群を抜いた対人関係構築能力を持ち、
チッタポンは圧倒的な舞の実力者である。

きっと二人も、さらに美しく
そして都に名を轟かす男娼に成長するだろう。

チッタポンには源氏名として、
テンという名前を授けることにした。

.