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HC side
テヨンイヒョンって、嘘をつけない性格なんじゃないかな。
普段は誰とも親しい様子を見せず、孤高の存在であり続けるから気付かれないけれど
こうして話してみたら、意外にも成熟しきっていないというか、少年のような話し方をする。
ここでもう少し畳み掛ければ、何か出てくる。
俺がヒョンに迫ると、
…ヒョンは少しだけ 怯えたような瞳をした。
「…何を、隠してるんですか。俺からヌナをとらないでください」
ほんの少し、ひねくれた本音混じり。
俺の発言に、テヨンイヒョンは素直に驚いた顔をした。
…そして、
目を細めて 吹き出した。
「あはっ、あははっ…！」
「…なんですか」
「ヘチャナ、何か誤解してるよ。俺別に… 楼主様と裏でどうこうとか、それこそ肉体関係なんて絶対に無いよ(笑)」
「…」
「誰にも言ってなかったんだけどさ、」
「はい」
「俺とあのひと、従姉弟なんだよね」
「……へ？」
思わず、間抜けな声が漏れた。
予想の斜め上からやって来た、その真相。
何かの悪い冗談だと言ってくれよ。
それでもテヨンイヒョンは、大真面目な顔してる。
「事情があって俺は此処にやって来たわけだけど、その前から… 子供の頃から、お互いに知り合いなんだ。身内だからよく話してるだけで…」
「…そうなんですか？本当に？」
「うん(笑)」
「いや、嘘だと言ってください」
「…ヘチャナの意外な本心、聞けちゃったな〜(笑)」
「ヒョン！うわ、最悪だ… ちょ、僕が言ったことは全部忘れてくださいね！」
気持ちが先走ると、やっぱり良くないことが起こる。
恥ずかしさと混乱でてんてこ舞いになっていると、階下から間もなくの開店を報せる鐘が響いた。
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作者名：如月
| 作成日時：2021年1月11日 10時
