遊郭物語 -新都編- 伍 (ページ29)

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HC side

“今日から貴方の名前は、ヘチャンよ”

そう言って、俺に微笑みかけたその姿。

…とても柔和で、女性的で
きつい目線、言葉で指導ばかりしてきたはずのあの人が見せた、そんな笑顔。

正直、ときめいた。

あの頃の楼主様は、今の楼主様とは少し違ったしな。なんかこう、もうちょっと人間的だった。
厳しさの中にも優しさがあったって言うか。

俺は再び、二人のもとへ視線を戻す。

…あの二人の間に、もしも何かあったのなら

なんか、嫌だなって

個人的に思ってるだけ、なんだけどさ。

JM「そもそもそんな気にすることでもないじゃん、楼主様の事情なんて」

JS「なんか… 首突っ込んだら複雑になりそう。」

MK「…」

RJ「花魁だから支度部屋も別だしね～。関わる場面が無いから、どんな人なのかが見えてこないよな」

JN「テヨンイヒョンって此処に来る前は何をしてた人なの？誰も知らなくない？」

「確かに！そうなんだよ」

CL「あははっ、どこか外国の王子様だったりするかもね！」

RJ「いやいやいや、そんなことある？」

JN「でもあの顔立ちだよ？まさか賎民や貧民の出身ではないでしょ」

俺たちが話で盛り上がってる間、

マクヒョンはずっと黙りこくったままだった。

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