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当の本人は、何食わぬ顔で 私の髪を撫でながら
天井を見つめていた。
…ほんと、綺麗な横顔。
男らしい骨格が素敵だ。
私が呑気に、そんなことを思い浮かべていると
悠太くんは口を開いた。
「……ごめんな、A」
「…え？」
「…今日はAに、たっぷり甘えさせたいって…思てたんやけど」
悠太くんが、私を ちらっと見て
情けなさそうに、呆れたように 自嘲する。
「…俺の方が、なんか…」
「…ふふっ、いいんだよ。私だっていつもの悠太くんの分、お返ししたくて… 出来たかは、分からないけど」
「お返しなんて… ……ははっ、ほんま…Aには敵わへん」
「…」
「…優しいね、君は。ほんとに」
“ありがとう”
私の髪を撫でながら、
消えそうな声で
悠太くんは そう言った。
私は悠太くんに抱きついて、頬に口づけて
悠太くんは私の頭を くしゃっと撫でると
きつく、私を抱き締めた。
お互い、何も言わず
暫く そうしていた。
悠太くんの首筋越しに見える夜空。
…まだ、星が降り続けている。
「…悠太くん」
「…」
「外、綺麗だよ」
「…雪、降っとる？」
「ううん」
「晴れてるんや、じゃあ」
そう言いながら、私の胸に顔を埋めた悠太くんは
どこか守りたくなる雰囲気を醸している。
…こんな悠太くん、初めて見たかも。
新鮮な感情が、胸をさらに暖かくさせる。
悠太くんの髪を撫でながら、私はずっと 外の様子を見ていた。
「…早く、暖かくなるとええな」
「…でも、私、冬も嫌いじゃないな。こうして暖め合えるじゃない」
「ははっ… またそうやって、(笑)」
「何？」
「ほんま、タラシ(笑)」
「悠太くんもだよ(笑)」
「なんか、Aのは妙に… 本当っぽいから」
「そう？」
「勘違いすんねん。ほんと罪な女(笑)」
「ねえ、悠太くんなんか今日 意地悪(笑)」
「男はね、好きな女の子には意地悪な生き物なの(笑)」
はしゃいだ顔して、笑ってる。
そんな悠太くんのおでこを、軽く小突くと
彼はまた笑った。
悠太くんが上半身を起こして、
私と同じように 外を眺める。
月明かりに照らされる身体の美しさに少しだけ見惚れていたのは、秘密にしなくちゃ。
…悠太くんはまたきっと、意地悪を言うだろうから。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
