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悠太くんの逞しい腕が、そっと肩を包む。
全部“判ってる” その あざとい瞳。
心がくらくら、惑わされて くすぐったい。
だけど、とっても優しい。
身体の力がどんどん抜けていくのが、
怖いんじゃなくて 気持ちいいのは
…悠太くんだから、きっと 成せる技。
「…ね、A」
「んんっ…、」
「目、とろんってしてる」
「…ぁ、う… …言わないで…って、」
「はは、顔真っ赤(笑)」
「んっ… 、」
「…ほんまに可愛い、A…」
耳朶を甘噛みして
悠太くんは微笑む。
悠太くんの唇で、指で、言葉で
身も心も ゆるゆると ほどけて
胸が、きゅうって
悠太くんのこと ぎゅって
抱き締めたくて、苦しくて
暖かくて、愛おしい なんて
…人生で一番 幸せな錯覚をする。
汗ばんだ悠太くんの胸板。
固く繋いだ右手は、離さない。
…その温もりに、心から
……心から、すがりたくなる。
悠太くんになら、全部を 預けて
心の全てをさらけ出して
…このひと時を、
夜に許された 一瞬の連続を
愛し、愛されたい。
…愛していたい。
悠太くんがふと 私の瞳を見つめる。
「A」
「はぁっ…、…ん、何…？」
「…ごめん、一つだけ、お願い」
「いっ…ぁ、あ…っ、待って、指…止め、」
「…今だけでええから」
「んっ…」
悠太くんが、やっと指を止める。
私は頭がのぼせて、息も絶え絶えで
それでも悠太くんが、…捨てられた子犬みたいに
私を見つめているから
星空のような髪に触れると、
悠太くんは 少しだけ
切なそうに、微笑んだ。
「…今だけで、ええから」
「愛して、俺のこと」
「…愛されて、みたい」
「…お願いやから」
そう口にして、私を抱きしめる。
…頼り甲斐があるはずの手のひらが、
少しだけ 震えている。
彼の中で、何かが 切れたのだろうか。
面付きが、所在なげに 変わった。
…当たり前でしょう。
こんなにも、いつも 私を暖かく抱いてくれる。
貴方を、この夜に
愛さない理由が、他に見つからない。
こんな私には、見つけられないもの。
私は頷いて、悠太くんの髪に触れる。
…悠太くんは、
目を細めて 安心しきったように
微笑んでくれた。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
