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西洋の御伽噺では
お姫様と皇子様が 運命の甘い恋を繰り広げるのだという。
甘い恋なんて、そんなもの
そんな、子供騙しのもの
此処では、切ない響きとなって
弾け飛んで、散り散りになって、消えるだけだ。
だけど
…ジョンウくんの瞳を見つめていると、
心が 初恋をした あの日のように
耳心地のいい音を立てて 真っ白に輝く。
初めての接吻は檸檬の味だと
いつか、どこかで、誰かが謳っていた。
ジョンウくんの柔らかい唇は、檸檬よりも甘い。
…困らせたいの。
その、愛らしい笑顔を ほんの少しだけ。
息継ぎをさせないように口づけて、
何度も何度も 角度を変えて
ジョンウくんから漏れる砂糖菓子のように甘い声が、私の理性を溶かしていく。
はあ、はあ と
ジョンウくんの広い肩が上下する。
びっくりしたように、私を見上げる
私はそんなジョンウくんの髪を撫でた。
「…いきなり、主導権…(笑)」
「ふふっ、だってジョンウくんが素敵だから」
「も〜、これじゃ僕が接客されてる気分だよ(笑)」
これじゃいけないよね、
…それでも、Aちゃんが望むのなら
そんな風に呟いたジョンウくんの手が、
私の頬に触れる。
私はそのまま、またジョンウくんに口づけて
彼に馬乗りになって
その着物を はだけさせる。
「…どうしたの、Aちゃん。目、真ん丸だよ」
「いや… ちょっと、驚いて」
「ははっ、僕のお腹ぷにぷにだと思ってた？(笑)」
「ちゃんと鍛えてるのね。…かっこいいよ、ジョンウくん」
「照れるよ〜…(笑) …でも、ありがとう」
他の娼夫の部屋と比べたら、少々 質素だけど
ふわふわの羽毛を感じる白布は、さながら
ジョンウくんと羽根の海へ 雪崩れ込むようで
彼を押し倒し、また口づけを交わす。
私を抱き締め、髪を撫で、首筋に触れ
視界が反転したかと思えば、彼が微笑みながら私を見下ろし、着物の襟に手を掛けた。
その手は、少し躊躇っている。
…本当、優しいんだから。
甘い恋を夢見た、幼い日々の情景が
彼に重なって 胸をときめかせる。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
