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彼が、ゆっくりと私の手を引いて 階段を下りる。
だんだんと戻ってくる喧騒。
宴会は大いに盛り上がっているようだ。
「Aさんがいつもお休みになられてる部屋は、こっち…ですよね！」
張り切って彼が一歩を踏み出した瞬間、
派手に 敷居に
「うわっ！」
「あっ…」
慌ててその手を掴む。
彼が、私の手を 強く握った。
体勢を持ち直した彼は、顔を茹でたタコのように赤らめて 決まり悪そうに俯いた。
…強く繋いだ手を離すことを忘れるくらいに、余裕が無いみたい。そんな姿もまた、可愛らしい。
「…すみません。さっきから、情けなくて…格好のつかないところばかり見せてしまって…」
「ううん、すっごい楽しいからいいよ(笑)」
「うぅ… すみません…」
「最初から完璧な人なんて誰もいないじゃない。そのまんまのジョンウくんでいいんだよ、ね？」
彼は、申し訳なさそうに 顔を上げて
それでも、恥ずかしがりながら微笑んだ。
彼に手を引かれ、私は彼がまた転けないか はらはらしながらも 廊下を歩く。
通り過ぎた大広間の障子の隙間から、
大勢の中にジャニの姿を見つけた。
…女性の肩を抱く姿。
やっぱり色っぽくて、そうしてるのが よく似合う。
テンくんは普通のお座敷には上がらないのかな。
…ああ、そうだ。確か、上の階の特別な部屋で舞っているのだと言っていたっけ。
ひときわ盛り上がっている部屋を通り過ぎる。
その瞬間、中から 聴き慣れた声が聞こえてきた。
さりげなく、目を向けてみれば
女性の手を取り、指を絡め、髪に触れ
頬に触れ、瞳を見つめる
…ジェミンの、笑顔。
私は、無意識のうちに
ジョンウくんの手を ぎゅっと握っていた。
彼はそんな私を不思議そうに見ながらも、
私の手を引いて 待合部屋へと足を踏み入れた。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
