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「…テンくんと過ごす時間。心臓が破裂しそうだった… 気持ちよかった。こんなの、久しぶりだった」
「……A…」
「テンくんの言う通りね。あなたが一番、よくしてくれた」
“業務内容”として、満足度は最高値。
乱暴なようで、決して痛いと感じた瞬間は無く
その妖しい眼差しに心を射抜かれる瞬間の、言葉に表せられない興奮。
現実、日常、全てを忘れて 酔いしれた。
…子猫みたいな姿も、愛おしい と 錯覚してしまう。
ふと、テンくんの顔を見上げる。
…彼は、何故だか
分かりやすいほどに、頬を赤らめていた。
これも演技かと思うと、背筋が凍る。
…その辺の役者なんか蹴散らせるほどの 名俳優になれるだろう。
“ウソつけない。キミの目を見ると”
そんな彼の言葉が、一瞬 脳裏をよぎった。
「……ズルいね〜、A。あははっ！」
「えぇ？(笑)」
「ボクがボクじゃ、なくなってくみたい」
「ふふ、なにそれ」
「わからないよ。ボクにも」
“ボクが 一番 わかりたい”
片言で そう口にすると
彼は私の肩に触れ、優しく私を抱き起す。
そのまま、そっと 私の身体を抱き締めた。
異国の香りにも慣れ、目を閉じる。
「…またおいで。A」
「…え？」
「もっともっと、愛してあげる」
「…」
「…ううん、きっとボクの方が、キミに会いたがってるんだろう、ね」
「…テンくん…」
「キミはボクを変えちゃいそう」
それが怖くて、でも
もっとキミに触れたいボクがいるんだ
…まるで、
私が心の中で思っていたことと 同じことを
テンくんは 嬉しそうに口にした。
「…でも、テンくん花魁だもの。破産しちゃう(笑)」
「え〜、お金なんて… 要らないのにな。キミは」
「なにそれ、また変な冗談言ってる」
「仕事って考えなくても、キミには尽くしたいよ」
「あははっ(笑)」
「それくらいステキだ。A、とっても」
「ふふっ」
「とってもステキ。…溺れちゃった」
くすぐったいほど、首筋に口づけを落として
私が頬に触れると、
甘える子猫のように 肌をすり寄せて
そんなテンくんの髪を、くしゃっと撫でると
彼は大きく頷き、
一切の淀みが無い 満面の笑みを見せた。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
