瀬戸くんとあなたのわくわくミュージカル＊ﾟ (ページ21)

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◇校庭の匂いは灰色のじゃり砂じゃなくてうるおいのワタ-高校生ver.-後半篇ページ21

階段をたんたんと降りる。

あつなはスカートが短いのね。

私も、クイッと片手で上げてみる。

でも、うまく上がらないし、しわしわになるしで諦めた。

あつなが振り返る。

きらきらの笑顔、メイクでりんりん輝くほっぺやまぶたを向けている。

「A！行くのやんなった？」

「ならない、ならない。行きますとも、お姉さん。」

「はひひっ、かーわいっ。はーやくっ！こっからは競争だー。」

ぱんぱんぱんぱん
上履きが鳴る。

私も負けじと追いかける。

もうすぐ
グラウンドはすぐそこだ。

校庭に着いた。

小さなスペースから

柵越しにグラウンドを見る。

「あっ、サッカー部あの辺じゃないかな」

あつなが指をさす。

「あー、あ。」

つい、口がぽっかりしてしまう。

「どうしたのよー。サッカー部だよ。念願の。」

「すごいね。」

「何が。毎日やってんよ。練習。」

私が何に驚いたかというと、みんなのきらきらにだ。

なんできらきらしてんの？

マネージャーの子も含め。

でも、横にいるあつなをそっと見たら、

あつなもきらきらしていた。

輝いていた。

スカートの先から、
指の先から、
耳から、
腕から、

あふれでていた。

私はちょっと嬉しくなって、自分の足元を見た。

すると、ほんの少し

少しだけ

私の方にもきらきらが溢れ出してこぼれてきていたよ。

でも、よく見たら違う。私からも、出ていたんだね。

大きく大きく

息を吸った。

もっともっと強くきれいになれる気がした。