◇見つけた？小さな、ううん、大きな花束-高校生ver.-後半篇 ページ20
「帰るよ〜、A！」
あつなが呼んでいる。
「うっ、うん！待って。……あっ、ばいばい笹田くん。」
「ばいばい。」
私はひらひらとスカートを揺すらせながらあつなのもとへ向かう。
「今日はどっか寄る？あっ、てか、瀬戸くん観察したいんじゃないのー？」
にやにや顔のあつな。
「なっ！なんでよ。なんでそんなことするのよー。」
汗がぶほっと吹き出そうになる。
「A〜、観察したい顔してるよ〜！よ〜し、お姉さんが瀬戸くんのもとまで連れてってやろう。Ｌｅｔ’ｓ放課後ターイム！」
お姉さんって、どこのだれが。
笑いそうな顔を我慢して
反論してみる。
「私、そんな変な顔してないもんっ。帰ろーよー。」
「いいでしょ、いいよ。ちょっとだけ！瀬戸くんいるか分かんないし。サッカー部練習あんでしょ？笹田〜！今日サッカー部ある〜？」
あつなはとっても素敵な声。
かわいいんだけど、媚びてないし、力強さもある。あと、優しさも。
「あるよー。６時まで。」
「瀬戸くん来る〜？」
そこまで、はっきり聞いちゃだめでしょ、あつな。
「来ると思うよ。」
「わ〜い！やったね、A！お姉さんに感謝してついて来るんだーい！」
のりのりあつなだ。
ちょっと楽しいからふざけて乗ってみる。
「お姉さん。どこまでも、私、Aがついてゆきますよ〜。」
「よ〜し！行くぞっ。笹田ま〜〜〜ん！君の勇姿も見れたら見るぞ。ばいば〜い！」
見れたらって正直なお姉さんだ。
この明るくって、
でも、人のことばっかりなふわふわウェーブのかわいいお姉さんに委ねてみようかなと思った。
サッカー部どんなかな？
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作者名：ユカ | 作成日時：2012年5月5日 15時
