過保護な兄さん【skt】 (ページ6)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:39,124 hit

過保護5 ページ6

そんなことがあり、3人の先輩方と仲良くなったお昼休みから数時間後、放課後になった

｢お、やっと終わったか〜。あの先生話長いんよなぁ｣

当然のように教室の外で待っている兄さん

いや、まぁいいんだけどね

｢うん、話長い。じゃ、帰ろ、兄さん｣

｢ん、帰ろか〜｣

手を出されたが繋ぎたくないので無視していると勝手に指を絡められた

所謂、恋人繋ぎと言うやつだ

振りほどこうにも兄さんの馬鹿力のせいでほどけない

周りはざわついてるし、なんなら女の子の悲鳴も聞こえた

｢うるさいわぁ｣

と舌打ちをしながら言う兄さんは悲鳴の原因が自分だとは思っていないらしい

適当にそうねーと流してさっさと学校から離れようと早めに歩いていると昇降口で折原先輩に会った

｢あ、折原先輩。兄さんならそっちに｣

｢あーちゃうちゃう、坂田に用がある訳やないんよ。俺、下の名前で呼ばれる方が慣れとるからセンラって呼んでくれる？｣

急なことにびっくりして固まっていると後ろからふわりと抱きつかれた

｢何しとるん？｣
その時の兄さんの声はいつものような優しい声…なのだが、どこか影のあるような声だった

｢Aちゃんに下の名前で呼んでもらおうと思ってただけやよ。妹が大事なのはわかったからそんな神経質になんなや｣

と、兄さんの肩を2回、ポンポンと叩いて昇降口から出ようとした先輩が振り返り、｢じゃあ明日からはセンラ先輩って呼んでなAちゃん｣

じゃあね、と言って今度こそ昇降口から出た折原…センラ先輩

｢あいつら絶対お前に興味持ってもうたやんけ…面倒やわ〜｣

｢ごめん兄さん、私が馴れ馴れしくしすぎたせいだよね｣

｢Aのせいなわけないやろ。お前は余計なこと考えんでええから。ほら、帰ろうや｣

と手を出され、私はその手を素直に取り、何故かまた恋人繋ぎのまま家路に着いた