初心なふたり：本城俊明 ページ4
「ポンちゃん」
「ん？ どした……って」
玄関の扉を閉めるなり、オレのマスクを外すA
そしてそのままかわいい顔で、じっとこっちを見つめているのだ。 そんなに見られると恥ずかしいぞ……
緊張やら照れやら嬉しさやらで、めちゃくちゃになっているオレの心をよそに、Aはこれまたかわいい声でオレの名を呼び、手を引っ張るのだ……
「はやく、わたしのお部屋行こ？」
「お、お、おう」
やわらかい手。 甘いにおい。 女らしい身体つき
反抗ばっかりして、女とかかわり合いになったことなどないオレは、こいつが近くにいるだけで、おかしくなっちまいそうだった
スカートが揺れる。 艶やかな髪をひるがえして、オレをベッドに押し倒すA。 胸にあたるこいつの手に、オレのうるさい鼓動がつたわっていないか不安になる
「ポンちゃん」
「んーだよ。 きこえてるっつーの……」
顔が熱くなる。 身体が熱くなる
だけどそれはオレだけじゃない。 なんせAの顔も、普段との対比で赤くなっているのが丸わかりだったからだ
「……チューして？」
そしてそれは覚悟の表情だったのだと、その言葉をきいてわかった
女にここまで言わせておいて、しねーわけにはいかねえ。 いくらオレに、そんな経験がなくても、だ
オレはAの身体をギュッと、だけど潰れないように抱きしめて距離をちぢめてから、彼女が求めるとおり、その柔らかそうな、厚みのある唇に……
「…………目、とじろ」
……触れ、
すぐに離れた
一瞬だったはずなのに、それがはじめてのオレたちにとっては、ずっと長く感じられた
「……ポンちゃん」
「……んーだよ」
「ありがとう…………嬉しかった」
オレのとなりに寝そべり、犬猫みたいにくっついてくるA…………ああ……
かわいい！
「お、おおおオレも…………」
嬉しかった、と言うのはやめておいた。 なんとなく。 恥ずかしすぎてもうだめだ
だけど彼女のほうが積極的で……
「ま、また…………してね？」
なんて言ってこっちを見つめてくるのだから、もうオレは頷くしかなかった
(おめーよお……お、男慣れしすぎだろ……)
(……ポンちゃんだけだもん……)
(……！ ……オレも……お前だけだ……)
続く
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玲佳(プロフ) - みーしゅさん» 応援コメントありがとうございますー！ わわ、本当ですか！ では頑張って続けますので待っていてください>< (2022年6月4日 22時) (
レス) id: f304fe2a87 (このIDを非表示/違反報告)
みーしゅ - 最高…!!!続いてほしいです！ (2022年6月2日 22時) (レス) @page3 id: 3a83b33499 (このIDを非表示/違反報告)
玲佳(プロフ) - シューさん» ははは初コメント！ ありがとうございます>< とっても嬉しいです！ 頑張ってネタ作って続けますね！ (2022年3月19日 22時) (レス) id: f304fe2a87 (このIDを非表示/違反報告)
シュー - うぇぇい‼とってもよかったです！続いてほしいです‼ (2022年3月16日 13時) (レス) @page3 id: 489be717e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲佳 | 作成日時：2021年1月2日 2時
