巧妙な罠：桐島ヒロミ ページ1
オレのせいでついた傷に触れる。 彼女は小さく反応して、痛いよ、と笑った。 その笑顔も、どこか無理をしているように思える
いや、当然か……オレと一緒にいるせいで、知らねー奴らからボコられんだもんな
怖ェーに決まってるよな
「……ワリィ、A。 もうこんな傷、二度とつけさせねーから」
「ヒロミ……大丈夫だよ！ いつも、ヒロミが倍返しにしてやっつけてくれるんだから──」
「……おまえがやられてからじゃおせーんだよ」
散らかったベッドの上、カーテンの隙間から洩れる光を浴びながら、互いの顔を見つめる。 Aの白い肌には、小さくとも赤い傷痕がよく目立つ
あのクソヤローども……ああ、次会ったら、そのときはもう許さねー。 こいつが泣こうが、必ず息の根を止めてやる
そんなオレの暴走した思いに気づいたのか、Aが、ヒロミ、と手をのばした。 白く、しなやかな指が、オレの頬に触れる
「大好きだよ。 やさしいヒロミが、大好き」
そういって、静かに唇をあわせる。 未だ慣れないその感触に、オレの心臓は急加速する
しかし、名残惜しくもすぐに離れて、また、じっと見つめ合う。 すぐに照れくさくなって、オレはAの細い身体を抱き寄せた「ヒロミぃ、痛いよお」「知らねーよ」
そう、笑いながらオレの背に腕をまわすA。 上半身裸のオレには、彼女の柔らかい肌の感触が直に伝わって、情けなくもまたドギマギしてしまう
「なあ、A……」
「なーに？」
「もう、学校、……行くなよ」
柔らかい髪を撫でながら、言葉を続ける
「おめーのためなんだ……ずっとここにいろよ」
今までずっと考えていた。 どうすればこいつが傷つかねーのか。 答えはひとつしかなかった
それは、Aを外へ出さねーこと
……なんて、たいがい最低なヤローだぜ、オレも。 惚れた女を閉じ込めておくことでしか、守ってやれねーなんて
「な……？ A……」
身体を離して、まっすぐな目を見つめる。 かなしい笑みを浮かべて、Aは頷いた「……うん、そーする」
そのまま涙でも流しそうな表情をするから、オレはその目じりに触れるだけの口づけを落としてやった
「ありがとうな。 これでもう、安心だ……」
罪悪感と安堵感が、いっきに胸に押し寄せる。 オレはそれをごまかすように、またきつくAを抱きしめた
(そんな顔すんな。 オレもずっと、一緒にいてやっから……)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーパーソン
杉原誠(マコ)
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玲佳(プロフ) - みーしゅさん» 応援コメントありがとうございますー！ わわ、本当ですか！ では頑張って続けますので待っていてください>< (2022年6月4日 22時) (
レス) id: f304fe2a87 (このIDを非表示/違反報告)
みーしゅ - 最高…!!!続いてほしいです！ (2022年6月2日 22時) (レス) @page3 id: 3a83b33499 (このIDを非表示/違反報告)
玲佳(プロフ) - シューさん» ははは初コメント！ ありがとうございます>< とっても嬉しいです！ 頑張ってネタ作って続けますね！ (2022年3月19日 22時) (レス) id: f304fe2a87 (このIDを非表示/違反報告)
シュー - うぇぇい‼とってもよかったです！続いてほしいです‼ (2022年3月16日 13時) (レス) @page3 id: 489be717e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲佳 | 作成日時：2021年1月2日 2時
