Alone Together (ページ20)

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堂々巡りページ20

自分の悲鳴で眼をさました

しかし、飛び起きるには身体が重すぎて、事態を整理するには頭が痛すぎた

ただ、自分が“刑務所のようなところ”へ入れられたのは現実だと確信できて、気分は殊更(ことさら)悪化した

寝ても覚めても地獄

この言葉が、今はおれのためだけに存在しているような気がした

おれはなんのためにここに入ったんだっけ

ああ、彼女に会うためだっけ……

「はは…………」

笑えんな、ほんとに

彼女に会うために、彼女と離れるなんて

もう充分離れていたのに……いや、まあ、おれがそうしてたんだけどね

今回だって、まあ、誘導尋問みたいではあったけど、一応はおれが自分の口で、入るっていったんだから……

彼女を包む手が、掻き傷でいっぱいだった。きっと、眠っている間にそうしているんだろう。もう随分と傷め尽くされた身体が、これ以上悲鳴をあげることはないから、どうでもいいんだけど

「Aちゃんのとこに帰りてェなあ」

自分のためには流れないのに、彼女のことを想うと、涙はとめどなくあふれてくる

先生が、おれはひとりでいるとどうもだめらしい、といっていたが、違うんだ。たといひとりでなくとも、おれには彼女がいないとだめなんだ

……Aは今も、あの空間でおれを待ってくれているのかな

ああ、互いに耐え忍ぶことしかできないおれたち。なんて、孤独なふたりなんだろう