独占 ページ4
「ただいまー」
家に帰る。 ふたりの世界に戻る。 また明日からお仕事だから、今のうちにくっついておかないと
購入した服やら食料やらを片づけて、
Aは相変わらず物静かで、おれが膝に寝転がっても、髪を撫で回しても、頬にキスをしまくっても、照れたように笑うだけだった。 でも、それがかわいい。 恥ずかしがり屋の、おれだけのお人形さんみたいで
「Aちゃん。 好きだよ」
「イケ……わたしもすき。 イケだいすき」
あたたかい陽が射し込むリビングで、彼女と
おれは目が悪いから、遠くからでもはっきり見えるようにきついキスマークをつけてやるが、彼女はヘタだから、本当にただキスを落とすだけ。 噛みついてくれたっていいのにな
ああ、おれの身体にも、愛の証があればいいのに。 おれがおまえをそうしているように、おまえにもおれを縛ってほしい
痛くして、優しくして、どこにも行けないように、拘束してほしい
「Aちゃん……」
ああ、一生懸命おれの身体に口づける姿の、なんといじらしいことか
髪の毛が、熱い息が、桃色の唇が、くすぐったくて気持ちいい
「おれから……離れないでね」
ためらいなく頷くおまえは、きっとその真意に気がついていないんだろうな
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作者名:玲佳 | 作成日時:2021年8月14日 2時