【SPYAIR】愛について【IKE】

出動 ページ19

「じゃっ、行ってきまーす！」


「行ってらっしゃい。 皆さんも、頑張ってくださいね」




せっかく天使が見送りをしてくれているというのに、三人はまるで地獄にでも行くような顔で「はい」とか「行ってきます」とか言っている


だから仕事の前に酒はやめとけって言ったんだよ



……まあ、理由はそれだけじゃないだろうけど



あいつらの眼を見てたらわかる。 なに考えてるかなんて……どうせ、彼女があんまりにも綺麗だから、想像と違ったんだろう



おれが羨ましかったのか？


彼女に見惚れていたのか？


彼女を好きになったのか？



仕方ないことだよ。 あんなに気遣(きづか)いのできる天使は、そうそういるもんじゃないからね。 仕方ない。 だけど横取りするのは許さない


彼女はおれの彼女なんだから




「よーし、みんな切り替えてこ！」




未だぼんやりとしている三人の前で手を叩く


別に、心ここに在らずでも構わないけど、仕事に支障が出ると困るからね




困るんだよ

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