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「ツナか…ええんちゃうか」
「よかった…」
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昨日段ボールの中に入っていたツナ缶。
きっとあのツナ缶を食べさせたのは
重岡くんだと私は思ってる。
根拠はないけど…。
だからって言う訳でないけど
何となくそこから名前を付けたくて
提案してみたら
重岡くんも気に入ってくれたみたいで安心した。
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「でも何でツナなん笑笑」
「えっと…ツナ好きそうだなって」
「小瀧さんおもろいなぁ笑」
昨日とは違う
学校で話す重岡くんの姿。
その姿は普段
桐山くんやクラスのみんなと話しているみたいに
優しい表情で話していて
見た目だけで判断していた自分が
恥ずかしい。
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「なぁなぁ小瀧さん」
「何でしょう?」
「笑笑…また敬語になってるで」
「あっ…つい笑」
「ホンマ小瀧さんおもろいわ笑」
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開いている窓から
朝の風が吹き込んで
綺麗に染まった重岡くんの
金髪の髪が靡く
二人きりの教室で
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「俺、小瀧さんと仲良くなりたいんやけど」
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確かにそう言ったんだ。
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作者名:YUUU | 作成日時:2022年11月12日 0時