7 ~臣side~ ページ7
委員会はあまり時間が掛からず、すぐに終わった。
たぶん、10分も掛かってないかな?
これなら歩いてるAちゃんに追いつくかもしれない。
そう思うよりも先に俺の足は動いていた。
早く会いたい。
その一心だった。
俺とAちゃんと隆二の家は歩いて30秒圏内にあった。
まぁ、お隣さん同士みたいなもん。
学校までの道のりは3kmくらいで、その間にちょっとした街みたいな通りがある。
その通りは
「思いやりStreet」なんて呼ばれている。
にぎやかだから、親からこの通りを使って帰れって3人とも言われてる。
今日も思いやりStreetを通って、
臣「見つけた」
遠くに微かだけど、俺と同じ青い体操服を着た女の子と背の低いばぁちゃんが立って話しながら信号待ちしてる。
俺は嬉しくなって、「Aちゃ一ん!」と叫んで大きく手をふった。
でも、彼女は振り向かない。
あれ?聞こえてない?
臣「おーい!Aちゃーん!」
あと数百メートルのところでAちゃんは振り向いて俺に手を振り返してくれた。
彼女の視線が俺に向いたかと思うと、
その視線はある方向へと移った。
俺も彼女の視線の先を追った。
『あ!A危ない!』
そうロから出た頃には手遅れだった。
Aちゃんと仲のよさそうに話してたばぁちゃんが、信号が青になって歩き出した。
すると、右から勢いよく突っ込んできた車が
ばぁちゃんにぶつかりそうになったのを、
寸での所でAちゃんがばぁちゃんの腕を引っ張った。
___ドンッ
今までに聞いた事のない衝撃音が辺りに響いた。
俺は思わず、彼女に駆け寄った。
「大丈夫か」なんて言えなかった。
俺の見る限りAちゃんは大丈夫どころではなかった。
辺り一面血だらけで、
『誰か救急車!』って聞こえたけれど、今の俺にはどうでもよかった。
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作者名:yuka(’-’*)♪ | 作成日時:2018年3月15日 15時