聞きたくない ページ19
「Aちゃん、このまま来ないのかしら?」
話し声が聞こえた。
声の方向を見ると、ベテランっぽい女店員さんと、若い男店員さんが話している。
気がつくと、俺の足は動き出していた。
「Aが、Aがどうかしたんですか?!」
鬼気迫るような口調で俺は聞く。
二人は顔を見合わせて、困ったような表情を見せる。
「Aに、何があったんですか!」
我を忘れた俺に、男店員さんはため息をつき、話し出した。
「……Aちゃん、倒れたんだよ」
そして、女店員さんが続けた。
「Aちゃん、病気持ちでねえ。最近は調子良かったみたいだけど、あなたが来なくなってしばらくして、倒れたのよ」
そんな。嘘だ。嘘に決まってる。
病気を患っているような、そんな素振りなんて、一度も見せなかったのに。
加えて、俺が来なくなってから倒れただなんて。俺のせいなのか? 怖い。このままAに会えないのかと思うと、怖い。
「Aは、今、どこにいるんですか?」
さっきとは違って、勢いのない俺の声に、二人は驚いているようだった。
「すぐそこの医大病院よ」
と言って、店員さんは住所と地図を書いたメモをくれた。
ありがとうございます、と小さな声で言った俺は、もらったメモを握りしめた。
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はなつー(プロフ) - 花蓮@carploveさん» おー!お疲れ様です!次は私がテストだ笑 あ、新作の短編集も作ったんで、良ければどうぞ!(宣伝笑) (2018年5月27日 21時) (レス) id: 75f8f2fbcb (このIDを非表示/違反報告)
花蓮@carplove(プロフ) - はな!テスト終わってようやくこれました笑完結おめでとう!毎話毎話楽しく読ませてもらってました。お疲れさん(^o^) (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9ae88586f0 (このIDを非表示/違反報告)
はなつー(プロフ) - 花蓮@carploveさん» そうです!頑張るよお!^ ^ (2018年4月22日 17時) (レス) id: 75f8f2fbcb (このIDを非表示/違反報告)
花蓮@carplove(プロフ) - お、北条くん落ちだ!頑張ってね(*^^*) (2018年4月22日 17時) (レス) id: 9ae88586f0 (このIDを非表示/違反報告)
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