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*29* ページ30

「ねぇA、自慢しに来たんでしょ?」

『いや...うん』

「髪ゆってからなんだね、ちゃんと似合ってるよ」

『ちゃんとって...』


この時、Aは神威の視線に違和感を感じた。
似合ってる、と言われた時Aではなく、誰か違う人を見ているような感覚だ。

そして、少し苛立ったような、悲しいような、そんな気持ちを表情に持っていた気がした。


『...神威?』

「どうしたの?」

『少し具合でも悪いか?なんかいつもと違う』

「そんな事ないよ、むしろいつもと違うのはAじゃない?こんなに集中して、もうお昼だよ?」

『もうそんな時間か…』

「俺は先に食べてる、仕事サボりたいんだけどね」

『今日はちゃんとやるんだな、仕事』

「じゃないとA、子供扱いするだろ?」

『あはは、そりゃあ神威が子供みたいなことするからさ』


Aと一緒にいつも行動する神威が、今日は何故か避けようとしているように見えた。

どうしてだろう、とただ疑問だった。

仕事へ行く神威を見送り、Aもあとから食堂へ行った。


「Aさん、今日一人なんですね」

『ああ、神威がさきに行っちまったのさ』

「団長が?珍しいな...」

『うーん、何か悪いことでもしたか?』

「Aさんが何かしたとしても、団長はベッタリだと思ったんですけどね…」

「え、付き合ってるんじゃねぇのか?」

『何回も言うが、違う。アイツは子供みたいなもんだろ』


団員から見てもAを避ける神威は違和感でしかない。
ケンカしているわけでもないのに避けている。

一通り仕事が終わった神威にAは話しかける。


『神威、お疲れ様』

「うん、おつかれ」

『あのさ、私は何か悪いことをしたか?』

「なんのこと?」

『今日私のことを避けてただろ?』

「...普通にしたいけど、できないんだ」

『どうして?私が悪いことをしたのなら謝る、だから...』

「これは自分の問題なんだ」


神威はずっとAの顔を見ようとしない。


『自分の問題だとしても、説明してくれ』


Aは一気に神威に近づき、自分の方へと向けさせた。
神威がAを見る時、やっぱりAには違和感がある。


『...引き止めてごめん、じゃあ』


神威はいったい、Aを見る時に何を見ているのだろう。
Aは部屋でずっと考えた。

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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
- ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
- 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月21日 17時

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