＊２４＊ ページ25
「ほらほら、こっちおいでー」
神威は手招きしてAを部屋へ呼び出した。
『ハサミ持っていつもの笑顔でこっち見ると怖いのな、神威って...』
「それちょっと傷つくなぁ...前髪切るだけだってば」
Aは椅子に座らせられた。
「目瞑っててよ、目に入っちゃうから」
『うん...』
Aの前髪にゆっくりとハサミを当てて切る。
冷たいハサミが少し額に当たってAはビックリするものの、動かないようにじっとしていた。
ゆっくりと丁寧に髪を切る音に少しAは安心したようだった。
「Aちゃんと前向いて、目開いて」
『ん...さっきより前がみやすい』
「もうちょっと切るよ、これじゃすぐ伸びちゃうし」
Aはまた目を瞑ってじっとしていた。
すると神威が急に意味深なことを言ってきた。
「もし急に俺以外のやつに、目を瞑ってじっとしてろって言われても絶対従っちゃダメだよ」
『なんで？時と場合によるだろうに』
「だってAが危ないだろ、何されるか分かんないし」
『じゃあ、なんで神威ならいいんだ？』
「俺はAに悪いことしないよ...たぶんね」
『たぶんって...まあ、神威なら信じるかな』
「...そっか」
神威はAの細かい髪の毛を払って、目を開けさせた。
「うん、これでいいんじゃない？」
『神威って、本当に器用なんだな...キレイにそろってる』
前髪は綺麗に整えられていた。
目にかからず、眉毛は出ないちょうどいい長さだ。
「短い方が似合ってるよ」
『前のがダサかったって言いたいのか？』
「そういう意味じゃないよ、明るくなった」
『ふーん、そっか』
Aは嬉しかったのか、少し照れているようだった。
『あ、ありがとう。整えてくれて。自分じゃこんなのできないから羨ましいよ』
「まあ俺はなんとなくってやっただけだよ」
『それもすごいな...なんか意外だった。戦闘狂の神威がこんなん出来るっていうの』
「それ褒めてる？」
『一応』
前髪を切ってもらえてAは相当機嫌がいいようで、
『阿伏兎に自慢する』
などと言い始めた。
神威の部屋を出て団員や阿伏兎に会いに行った。
「あ、Aさん。どうしたんだ？」
『髪型、似合ってるか？』
「似合ってますよ！」
「なかなかいいじゃねぇか」
『あはは、ありがとう』
神威が前髪をきれいに切れたことと、自分に似合うと言われたのが誇らしかったのか上機嫌なAだった。
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ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます！直しておきました！ (2020年1月28日 22時) (
レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか？ 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー！！妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく！凄い面白かったです！！！ (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よっちゃん | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月21日 17時
