検索窓
今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:57,571 hit

*16* ページ17

特訓が終わり、自分の部屋に向かおうとしていると、Aの傘と黒い服を持った阿伏兎が前から歩いてきた。


『阿伏兎!その傘...!』

「ああ、お前さんのだ。あとこれ、服を何着か女物のを貰ってきた」

『お、こんなに...』

「女が来たっつったら、仕立て屋気合い入れちまってよ...5着も1日に作っちまってよ」

『そんなに...ありがたく貰っとく』


何種類かのチャイナ服を5着も持つと、だいぶ重い。
それに加えてそこそこの重みの傘、Aにとっては余裕といえば余裕だが、疲労で少し大変のようだ。
さっさと部屋に向かった。
見事にドアは修理されてきれいになっていた。


『よいしょ...っと。服は...っと』


団員の多くが来ているような黒いチャイナ服の女物、ドレスタイプのものとあった。
色は白と赤もある。
下に履くズボンもいくつかあった。


『明日は無難にこれにしようか…』


黒のチャイナ服を選んで枕の横に置いた。
今着ている団長の幼い頃の服をどうしようか、とAは考えていた。

コンコン...

ノックの音が聞こえたので返事をする。


『どうぞー』

「やあ、A」


いつものニコニコした顔で神威が入ってきた。


『どうしたのさ、団長』

「暇だから来ちゃった」

『何それ』


神威はAが手に持っている服を見て、「これどうしたの」と聞いた。


『なんか服いっぱいもらった。今来てるのサイズあってないし...』

「それ俺のだよね、たしか」

『そうそう、返そうかと思ってさ』

「いらない。使わないし」

『んー、私もあっても困るんだよな』

「部屋着にすれば?」

『うーん、そうするよ』


Aはチャイナ服をしまった。
そしてついにAも暇になった。


『私も暇になった』

「ん、Aの髪ほどけてきてる」

『なんか頭重いと思ったら…』

「後ろ向いて、今は俺がやるよ」


神威の言う通りにAは後ろを向く。
この二日で阿伏兎や神威、団員に対する緊張はだいぶほぐれたようだった。


『...?普通に結ぶんじゃないの?』

「いいから、気にしない」


神威はAの髪をいじり始めた。
ただ結び直すだけじゃないようだ。


「髪長いよね、本当に」

『それ、朝も聞いた』

「そうだったっけ?」


Aはじっと待っていた。
髪を触られるのに、不思議と懐かしさを覚えていた。
Aはよく髪を母に整えられていた。


「よし、できた。俺とお揃い」


Aの長い髪は後ろに三つ編みでまとめられていた。

*17*→←*15*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 春雨
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆう(プロフ) - 雪さん» ご報告ありがとうございます!直しておきました! (2020年1月28日 22時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
- ちなみに16話の最後から3番目の [ ○○は、よく母から紙を整えられていた]のところです>< (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
- 気になったんですけど、 紙じゃなく髪じゃないですか? 勘違いだったらすいません。(16話) (2020年1月7日 20時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございますー!!妄想力しかないもので拙い文書ですが... (2019年11月29日 10時) (レス) id: 6c784c5756 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - すごく面白い…どうやったらこんな面白い物が…とにかく!凄い面白かったです!!! (2019年11月29日 6時) (レス) id: a01ec1bc5c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よっちゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月21日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。