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怪談-9話 ページ10

すっかり荒れちゃった教室を元に戻す。
綺麗に並べてこれでよし!


それにしても、あの人魚怖かったなぁ。花子くんがいなかったら僕も今頃……。


ひぃー怖。


「サカキ」


「どうかした?……っ!え、」



花子くんに呼ばれたから軽く駆け足でよる。


次の瞬間グイッと腕を引かれたと思えば、目の前いっぱいにニヤリとした顔があった。



「んむっ!?ん……はっ…花子くっ、ん!?」



柔らかいものが、唇に触れた。


こ、これって……っ!?



「飲んで。」



口の中に何かが入ってくる。必死に追い出そうと舌で押していたら、暖かい物でそれを奥へと押し込まれた。



ゴクリ


「ぷはっ……な、何してっ!?っていうか、何飲ませたの……?」


体が熱い。


「人魚の鱗。」



「キャッ」


「八尋さん!?」


大きな音がした方を見ると八尋さんが頭から水槽を被っていた。


「これで、俺たち三人の縁は結ばれた。代わりに貰うよ?君達の……労働力」


「「は?」」



「感謝してよー?ヤシロのお願いふたつも叶えてあげたんだからさ。誰でもいいから両思いになりたい……だっけ?


良かったね。ヤシロには2人もいるんだから。」



八尋さんと花子くんが手を絡ませてこっちを見る。



……いやいやいや。
何いい感じにしてんの!?


こちとらなーんも願い叶えてもらって無いんだけど!?


ついでに言うと取られてるんだけど!?



「は、初めて……だったのに……」



「え?」



「そう言えば……は、花子さんと榊くん、キ、キキキスして……っ!!」


し、舌まで入れられて……っ



そこまで考えてから一気に下から熱が込上げる。



「は、花子さんの……変態っ!!」


「えぇ!?」



目を合わすこともままならない。僕は急いでその場を去った。



胸元の鍵を取り出して自室へ駆け込む。入ってすぐに扉を閉めてズルズルとその場に座り込んだ。



「……あれは、ダメでしょ……。」




扉の向こうで2人が僕の名前を呼んでいる。八尋さんには悪いけど、今の僕の顔はとてもじゃないけど他人に見せれるようなものじゃない。


「はぁ……」



三角座りをし、腕の中に顔を埋める。


この部屋は誰にも見えない。


だから見つかりっこない。
僕だけの聖域なんだから。

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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