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怪談-8話 ページ9

「大体、やり方がふつーで健全すぎるのよ!」


「俺って、健全な花子さんだから。」



くねくねと体を揺らす花子くんに若干寒気がする。



「お、落ち着いてっ。気持ちは分かるけど!」



「ふ、不健全な道具もあるからっ」



ちょちょちょ、女の子がいるんだからこんな雑誌出しちゃダメだよ……!



「なにこれ?」


「こけし」


「で?」


「ちょっとエ◽い」


「……榊君。」


無言で窓を開けると、八尋さんがそのこけしを思いっきり投げた。


「見えなくなった……」


遠くに行きすぎて。
あんなに綺麗に投げ飛ばすなんてシンプルに凄いと思う。



彼女って結構体感がしっかりしてるんだなぁ。そっか、だから足首が……。




「ヤ、ヤシロ!それはダメ……っ!」


あれ、このシーンなんか知ってる。確かこの人魚の鱗を食べて、花子くんと縁結び的な、契約を結ぶんだっけ?



「花子さんの嘘つき!」



そう言って彼女はトイレから出ていった。



「花子さん…八尋さんは大丈夫なの?」


「……このままだと、ヤシロは魚になっちゃうネ。」



じゃあ早く助けないと。


そう言っても彼は俯いて動こうとしなかった。



「……!」


「行こ?……一緒に。」


花子くんの腕を引きながらトイレからでる。廊下に出てから駆け足で八尋さんを追った。



「……A」



--------------------



「八尋さん!良かった……生きてたぁ」


「榊くん……。」



八尋さんが小さな魚になっていたのは驚いたけど、こんなに元気に泳げて良かった。


「私、花子さんの言った通りだった。先輩のこと利用して……榊くんにこんなに心配までかけさせちゃって。……最低。」


「八尋さん……。」



その刹那、ガタガタと教室が音を立てる。



──さてもさても。人とはまっこと愚かな生き物よ。



教室の中央に沈み、中から水が溢れ出る。
何かがきた。



「ひぃ!?人面魚ー!?」


「これが人魚さ。」


花子くんの言葉に耳を疑う。


「そ、想像と違いすぎる……っ!」


すると、彼は僕と八尋さんを庇うように前へ出た。


「困るなぁ。営業妨害だ。」


「邪魔だ小僧」


彼の体が容赦なく弾き飛ばされる。


「彼女は……渡さないっ!」


「榊くん……っ!」


八尋さんの入った水槽を持ち上げて後ろに下がる。


「威勢のいいだけの愚かな人間よ。先ずはお前から殺してやろうっ!!」


来るだろう衝撃に水槽を抱えて身を縮こます。しかし、いつまで経ってもその衝撃は訪れることは無かった。

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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