検索窓
今日:13 hit、昨日:16 hit、合計:80,181 hit

怪談-49話 ページ50

トイレ掃除の最中、花子くんが寧々ちゃんの様子が変であることを言及する。



何気にこの掃除に参加するのは初めてのような気がする。


ま、そんなことは置いといて。


確かに彼女の様子は変だ。特に花子くんと僕に対しては何か考え込むような様子を見せる。



「それに、サカキだって」


「え?」




僕も何だか元気がなさそうに見えるらしい。



まぁ、昨日のことがあったからね。あの後入ってきたあまねくんにも心配される始末だ。



結局あれは一体なんだったんだろう。



「…色々あって。」


「色々ってナニ〜。ハッ、まさか浮気でもしたの!?」


「してない…って、そもそも付き合ってない!」




彼の冗談には困ったものだが少しだけ元気が出た。



もしかしたらあれは僕が殺してしまった人達の怨みの塊なのかもしれない。



あんなに膨大な殺意を向けられるなんて生まれて初めてだ。足が思うように動かず、膝の力が徐々に無くなる。立っているのがやっとだった。



「…」



思い出すだけで手が震える。



「よーしよしよし」



花子くんが僕の頭をぐちゃぐちゃに撫で回す。



「何して…」


「後で聞かせてもらうよ。」



耳元で声がする。あの二人には聞こえないぐらいの声量だ。


そっと彼の顔を見ると有無を言わせない笑みを浮かべていた。




--------------------



その後、トイレで花子くんと2人きりになった。彼に隠して秘密を探ろうとした罪悪感から上手く目を合わせられない。



「話してよ。」



彼は狡い。自分のことは話さないくせにこうやって聞き出そうとしてくる。



「何があったの?」



恐らくあれは怪異だと思う。だったら花子くんに話す方が得策だ。


昨夜の出来事を伝えた。得体の知れない恐怖をまた思い出してしまう。



「大丈夫だヨ。」



正面から抱きしめられ、胸が五月蝿く鼓動を打つ。




「僕も殺されるのかな…?」



今度は僕が彼らに殺される番なのかもしれない。残酷な事をしてしまった報いを受ける時が来てしまったのだろうか。



当然の事だ。



あんなことをしてしまったのだから、さぞ怨みは深いだろう。このまま彼らに八つ裂きにされるべきなのだ。



「そんなことさせない。俺が、サカキを守るから。」




大勢の命を踏みにじっても尚、生きたい。死にたくない。そう思ってしまう僕はもはや化け物だ。



それでも…彼らと友達でいたい。




「…ありがとう。」



もうどうしたらいいのか…分からない。



---✄------キリトリセン------✄---


続編に移行します。

この小説の続きへ→←怪談-48話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。