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怪談-42話 ページ43

赤いページをめくろうとした時、本の下から紙切れが床に落ちた。


手に取って見てみると、それは新聞の切り取りだった。



『リストラ企業の続発!』


大きな見出しにはそう書かれていた。



「……?」



内容的にはよくあるもので、要は不景気だから人件費削減の為にリストラし始めた企業が増えている、みたいなこと。



「なんでこんなものが……」



態々僕の本に挟まれていたってことは、何か関係があるのかもしれない。現にどこか見覚えがある気がした。



「……あ!そういえば、僕の父さんもこれに関係していた気がする……」



彼は真面目で働き者だった……そんなイメージがすんなりと頭に浮かんだ。



「だんだん思い出してきた……」




数ページを捲ると『記憶を取り戻す』と書かれたページが出てくる。それと、またしても新聞の切り抜きが挟まれていた。



「やっぱり、誰かがこの本について調べてる……?」



他の本がどうなってるか知らないけど、態々新聞の切り抜きが挟まれているなんて変だ。



まるで、誰かが調べたものをそのまま残しているような……。




『未成年による大量虐殺事件』




その見出しに思わず目が釘付けになる。やけに早くなる心臓を押さえつけて小さな文字に目をすべらす。



『不法侵入した数十名を、自宅にあった斧で殺害。少年は家族を守るためにやったと供述しているが行き過ぎた行為に警察は対応を考えており……』



1度深く息を吸って吐いた。



幾度となく見えた残虐な光景。あれは実際に僕が見たものだった。これでもう否定はできない。



「Aくん!!」
「A先輩っ!」



遠くの方で僕を呼ぶ声が聞こえる。



「サカキ!!」



待って、もう少しだけ……!



もう少しで分かるんだ。僕とあまねくんがこれからどうなるか…父さんと母さん、それから妹の事も……!



「危ないっ!!」



花子くんが僕を抱えてその場から離れる。その瞬間、さっきまで僕が立っていたところに向かって大きな何かが腕を振り下ろしていた。



「あ、ありがとう。」


「どーいたしまして。」



咄嗟に後ろに隠した僕の本を確認すると赤く染っていた。なるほど。赤い本とはよく言ったものだ。

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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