怪談-41話 ページ42
「いるか?」
物怪がランタンを渡してくれる。寧々ちゃんがありがとうと返し受け取った。
「凄い量の本だね。」
「うん……。確か、白い本は生きてる人の本で、黒い本は死んでる人の……だったはず。」
「花子の本なら黒っスよね。」
ここに来るまでに16時の書庫の七不思議については大体の説明を受けた。気をつけることは赤い本は読まないこと。
けど、赤い本なんて見当たらないな。目につくのは白と黒の本ばかり。一体赤い本には何が書いてあるんだろう。
「あ、先輩!」
黒い蝶を追いかけて寧々ちゃんは走って行ってしまう。境界では何が起こるか分からないから光くんと一緒に後を追いかける。
どうやら自分の本を見つけたようだ。
蝶はまた飛び立ちふわふわと奥の方へと行ってしまった。
光くんがいるから、このまま1人で後を追いかけてみようかな。薄暗い道をゆっくり進む。花子くんの名前は、
「そういえば苗字は……えっと、確か……」
そうこうしているうちに飛んでいた黒い蝶が棚に近づく。
また本に止まった。
「!……この本……。」
『榊 A』と書かれた白い本。黒じゃないのは紛れもなく僕が生きているってこと。
まぁ、当たり前のことなんだけど……。
「そういえば、僕のお父さんとお母さんはどうしてるんだろう……」
どんな人だったかはまだ思い出せないけど、息子が行方不明になってる時点で相当心配かけてるかも。花子くんには思い出すなって言われてるけどやっぱり少しだけ気になる。
「うーん……。」
ちょっとだけなら……
ペラリと表紙をめくる。最初はこの学園に突然転校してから始まった。
寧々ちゃんとの出会い、花子くんとの出会い……それから、
自身の『境界』で柚木普と出会う。
「ゆぎ……あまね……」
『おれはあまね。柚木あまね。』
『僕は……榊A。よろしくね、あまねくん。』
そうだった。お祭りで彼は確かにそう言っていた。花子くんの本名は柚木普だ。
「『境界』か……やっぱりあの部屋は僕の部屋じゃ無いんだ……」
見た目が自分の部屋の様になっているだけであそこは僕の本当の部屋じゃないんだ。
それからはここまで辿り着いた過程が只管書かれていた。ペラペラとめくっていくとやがて赤いページが出てくる。
「『未来』……」
表紙を手で触れる。花子くんを助けるため。意を決してそのページを開いた。
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ごめんなさい!
ちょっと修正しました。
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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時