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怪談-40話 ページ41

「思えば俺って、アイツのこと何も知らないんですよね。なのに怪異だから払うってなんか、違うかなって……。」



光くんは本当に優しいと思う。



……それに反して僕は見て見ぬ振りをしようとしてた。花子くんを想ってしていた事には変わりないけど、思い返すとやっぱり間違っていたのかもしれない。



「花子くんのことを知りたいもの同士、一緒にがんばろう!」




隣で寧々ちゃんが彼の手を握って笑顔で言う。……彼の胸に何かが刺さった気がした。



「ニヤニヤすんな!!」


「おっと、失礼。」



なんだかミサキ怪談以来、光くんと会話するのは久しぶりのような気がする。楽しいな。



そういえば、まだ確信は持てないけど花子くんも寧々ちゃんに好感があるはず。寧々ちゃんモテモテだねぇー。



ハッ……!そうするとこれは立派な三角関係!?



「A先輩……」



僕が何か核心を得た時だった。彼は静かな声で呼びかける。


「どうかしたの?」


まさか僕が彼らの三角関係に気づいた事がバレたのだろうか。



「……俺、A先輩の事も知りたい……です。」


「!」




真剣な眼差しで、でも戸惑った様に彼は言う。



記憶は全部思い出せたわけじゃない。分かっていることと言えば、学校にある、おそらく境界と呼べるだろう僕の部屋の存在。


それから、花子くんの生前であるあまねくんの事。彼の身に何が起こっているかは僕だって知らない。だからこうして寧々ちゃんと光くんと共に行動しているんだ。



「花子くんとの関係のこと?別に何も無いよ。寧々ちゃんと同じで彼と会ったのはあの時が初めてだよ。」



僕の部屋での出来事はできる限り秘密にしていたい。あの部屋は僕と彼だけの空間だから、やっと一息つける場所を他の人に侵されたくないんだ。



「じゃあやっぱり、なんで花子くんはAくんのことを知っていたんだろう……しかも一方的に。」


「なんか毎回見るからに怪しい感じでA先輩に近づいていって……」



どうしよう。なんか話が進んでいくにつれて、いつの間にか花子くんが僕のストーカーみたいなことになってしまった。あれ、大丈夫かな。



「…蝶?」



寧々ちゃんが見ている先を見ると黒い蝶がいた。その蝶が止まっている本を彼女が触れると衝撃音と共に大きな扉が現れる。



「これが、16時の書庫……?」



16時の書庫……。あまねくんの見に何が起こっているのか……それを知ることが出来たなら、今度こそ救えるかもしれない。


期待をするのは怖い。だけど、それでも彼を救うことが出来たなら……

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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