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怪談-33話 ページ34

「A……好きだ。」
「俺も……Aのことが……」




「……ど、どうしたの?二人とも」




左右から蒼井くんと山吹くんに告白まがいの事をされる。昨日追いかけ回してきたらてっきり何か怒ってるのかと思ったけど、どうなってるの?



「10点もくれるなんて……昨日、僕は君の優しさに惹かれてしまったんだ。」


100点中だよ!?そりゃ確かにいつも葵ちゃんに1桁な点数貰ってたらあれかもだけど……。



というか僕は今凄く疲れているんだ。



昨日、つかさくんがあの後何をするのかすごく警戒してたんだけと彼といったら……



『あはははっ!!』


『ちょ、散らかさないで……』



ベッドの上で飛び跳ねたり物投げたりもう体力が追いつかない。全力疾走した上で彼の遊びに付き合うのはなかなか骨が折れる。



荒らすだけ荒らしてスッキリしたのか彼は帰って行った。


散々暴れ回った挙句、最後にはまた会いに来てもいい?なんて上目遣いで目をうるうるさせて聞いてくるもんだから、もう疲れてYESしか言えなかったよ。


正直次会うときは万全な体制を構えてからじゃないとどうにもこうにも……。



「あ、寧々ちゃんおはよう。」


「お、おはよう……なんか、どうなってるの?」



無視するなと未だ両隣で彼らは騒いでいる。教室の中で僕の周りだけ異様な光景。



「……どうなってるんだろう。」



それは僕も知りたいよ。



--------------------



放課後。



「はぁ……はぁ……」



なんとかあの二人とは距離を置くように園芸広場にやってきた。



彼らがおかしくなったのはあの木の下で告白してからだ。だけどあんな木、前まではなかったはず。



絶対に怪異が関係している……



「ヤシロ……」



あれ?あの二人は寧々ちゃんと……花子くん?



「ヤシロ……好きだ!俺と付き合って!」




近くにあった物陰に急いで隠れる。凄い青春の光景だ。



「……あれ、」



なんだろう。凄く違和感がある。



もう一度彼らの方を見ると寧々ちゃんは顔を真っ赤にしていた。



何がおかしいのだろう。あの二人はお似合いだ。心からそう思う。



「……もしかして、」



気づいた答えに自身で驚いた。時が止まる。辿り着いた答えは余りにも突飛なもの。


普段から花子くんの態度に踊らされていることは分かっていた。だけどまさか、それを勘違いしてしまうなんて。



「……馬鹿なヤツ。」



心の奥深くに鍵をかけた。きっとこの鍵を開けることは無いだろう。そうやってその気持ちをなかったことにした。

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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