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怪談-3話 ページ4

七不思議七番目「トイレの花子さん」


ナレーションのように赤根さんの話を聞く。


僕の机の前にしゃがんで話をする2人。まさか、架空の人物とこうやって話ができる時が来るとは夢にも思わなかったよ。



やっぱり夢でも見ているんじゃ……



「榊君!今日放課後予定ある?」


「え?どうして?」


「もし、予定が空いてたら一緒に花子さんやらない?」


あ、まだ物語は序盤なんだ。


そういえば花子くんは願い事を叶えてくれるんだよね?そしたら家に帰れるかもだし。


何よりどんな感じか見てみたいし……、行って損は無いよね。


「いいよ。一緒に行こ。」



ちょっと好奇心に負けただけだから!
折角此処に来たんだし、メインの人物ぐらいみたいじゃんか。


……って、誰に言い訳してるんだか。



--------------------



「……いくよ?せーのっ。」



コンコンコン


「「花子さん。花子さん。いらっしゃいますか?」」



お願い事は僕にもある。そう言うとだったら同時にやろうっていうことになって、タイミングを合わせる。


人が来ない旧校舎とはいえ、女子トイレに入るのは初めてで緊張した。誰かに見られでもしたら……あぁ恐ろしい。



「はーあーいー……。」



ひっと小さく悲鳴をあげて僕の胸にしがみつく八尋さん。


かく言う僕も、彼女を守るように腕を回して半歩後ろに下がる。



歪な音を立てて開いたトイレのドア。恐る恐る覗くが、中には誰も居なかった。


「こっちだよ。」


左肩に軽い負荷がかかる。


僕が反応するよりも先に八尋さんが悲鳴をあげた。


「いやぁー!!榊君!!」


「ぐえっ」


中々の強さで抱きついてくる。首に回された腕からミシリと聞こえてはいけない音がする。


「くふっ……あははは!」


「や、八尋さ……」


死んじゃう。まじで。


「大丈夫?」


「あ、貴方は……?」


未だ腕を回したまま話が進められていく。待って、この状態でまともに話なんかできないよ。


「学園七不思議が七番目。トイレの花子さん。初めまして。それから──



もうそろそろ離してあげないと、その子死んじゃうよ?」


「え?……あー!!ご、ごごごめんねっ!?」


「……けほっ、けほっ。……大丈夫。生きてる。」



眉を下げて笑う。


「八尋さん、こんなに積極的なら態々お願いなんかしなくても叶えられそうだけど……。」


「もう!からかわないでよ……」


少し怒ったような彼女にごめんごめんと謝る。その様子を花子くんがずっと見ていたことに気がつかなかった。

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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