怪談-19話 ページ20
「いなくなったって…どういうこと?」
「分からない。葵の席も無くなってるし……」
そんな話をしていると先生が入ってくる。寧々ちゃんが駆け寄り葵ちゃんについて聞くが思ってもみなかった返答が帰ってきた。
「そんな名前のやつうちのクラスには居ないだろ。」
教室を飛び出して行った彼女を追うように後ろの扉から出る。先生やクラスメイト達がみんな口口に何かを話していたがそれどころじゃない。
「寧々ちゃん!」
廊下の途中で立ち止まっている彼女を見つけ駆け寄る。
「どうしよう……電話をかけても繋がらないの。」
「家の方は?」
僕の言葉に思い立ったようにスマホの番号を押す。結果は……ダメだった。
それどころか、葵ちゃんのお母さんまで彼女の存在を忘れてしまっていたらしい。
「……花子くんならっ」
「危ないっ!」
後ろを振り返った彼女とたまたま歩いてきていた男の人がぶつかりそうになる。咄嗟に彼女の腕を引き避けさせたが、代わりに彼女の手にしていたスマホが落ちてしまう。
「大丈夫?」
スマホを拾ってくれた彼に寧々ちゃんは目がハートになる。
単純なんだから。
「早く行こう」
「そうだったっ!」
軽く声をかけて先を急ぐ。ちらっと後ろを見ると、さっきぶつかった男の人と目が合った。
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結局花子くんに会えたのは放課後になってからだった。寧々ちゃんと昼も一緒にトイレに行ったのだが不在。
やっと見つけたと思っても話の内容に対して興味が無さそうだ。
「まぁ俺も忙しくてねー。」
うーん、昨日見た男の子と花子くん……やっぱり似てるなぁ。恐らく同一人物として見ても、いいのかな?
「誰も葵のこと覚えてなくて……っ」
「花子ーーーーっ!!!」
すごい勢いで誰かが入ってくる。あれこの子、前見た払い屋くん!?
花子くんの襟首を両手でつかみブンブンと揺らす。その勢いに呆気に取られて寧々ちゃんと2人でその光景を暫く見詰めていた。
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「この学校には7つの異界がある。消えた生徒もそこへ連れていかれたんだろうね……」
境界とも言うらしい。
「兄ちゃんから聞いたことあるぜ。誰からも忘れ去られた世界だって……」
「誰からも、忘れ去られた世界……」
脳裏にあの部屋が浮かぶ。窓から見える景色はいつも夕方で、誰からも見えない扉。
「今は八つかもね。」
ビクリとして声主を見ると、猫のように目を細めて笑う花子くんと目が合った。
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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時