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怪談-13話 ページ14

人の記憶とは曖昧だ。



確かに鞄にしまったと思っていた物が、実は家の机の上に置きっぱなしだったり……



はたまた、大勢の人が同時に見た事柄について後から一人一人話を聞くとそれぞれが全く違うことを話していたり……



なんとも思い込みというものは恐ろしいものだ。



でもだからってさぁ、それは忘れちゃダメでしょって事もあると思うんだ……。




どうして……




「どうして誰も僕が1週間も学校に来ていないことに気づいてないんだ……っ!」



転校初日に曖昧な返事しかできなかったから八尋さん以外にクラスに友達は居ない。


だからって、だからってこの仕打ちはあんまりだ。



「げ、元気だして……?私は気づいてたよ?あ、他にも葵とか、茜くんも!」



お昼休み。僕は寧々ちゃんと花子くんの三人で屋上へときた。僕が落ち込んでるのを見て彼女が励ましてくれる。



「寧々ちゃん……」


昨日、彼女の提案でこれからは僕達も下の名前で呼び合おうって事になった。



勿論僕がその提案を断ることは無く、今現在に至る。



問題無い。ただ、一つ心配事をあげるなら、このまま二人と仲良くなりすぎて帰りたくないなんてことになりそうだな……なんて。



「えーいいじゃーん。みーんなが覚えてなくても俺は忘れないからさ。……ずっとココにいていいんだヨ?」



ね?サカキ。



寧々ちゃんとは逆の左側から花子くんが喋る。後半は僕の耳元で囁くように言った。



「〜っ、だ、だから花子くん……近いんだって…っ」



あははと無邪気に笑う彼に対して僕は情けなく俯く。くそー、見た目年下の子にからかわれるなんて僕のなけなしのプライドが傷ついてるよ……。


「あーもうっ!Aくんには花子くんがいたんだった……はーあ、イケメンが空から降ってこないかなぁ。」


「ちょっ、それどういう意味……」


そのままの意味ー、なんて適当に返される。



「ヤシロ……」


「別に現実とフィクションの区別ぐらいついてるわよ。でも怪異の助手なんてやってるのよ?つい特別な出会いを想像しちゃうじゃない。」



僕を放っておいて話はどんどん進んでいく。



もういいや。花子くんの突発的な行動には驚かされるけど、何だかんだ友達みたいなこのやり取りも楽しい。


寧々ちゃん劇場を聞きながら、打ち払われる花子くんに笑いが止まらなくなる。


「キケンシソー禁止ー。大体、そんな事しなくても……」


「!」


首に腕を回され引き寄せられる。



「ヤシロには俺とサカキがいるじゃん。」

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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