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怪談-12話 ページ13

「もしかしてなんだけど、これが花子さんが言っていた掃除の次に頼みたい大事なこと?」



掃除……?頼みたい大事なこと?


階段を上る花子くんについて行く。


「本当はもっとあとに頼むつもりだったんだけどね……。」


「やっぱりっ!」



そう言うと八尋さんは抱いていた物怪を上へ投げ飛ばした。



「あぁっ」



危ない。そう思ったが物怪は風船のようにふわふわとゆっくり落ちてきた。



落ちてくるだろう所で腕を出してキャッチする。



「じゃあもうトイレ掃除は卒業?」


「それはダメ」


……トイレ掃除なんてさせられてたんだ。花子くんに無理やりやらされてるのかな。



「そんなに嫌?これからはサカキにも手伝ってもらおうと思ってたんだけど……。」


「え」


まさかそこで僕の名前が出てくるとは思わなかった。ていうか、トイレ掃除ぐらい花子くんがすればいいのに……。



「トイレ掃除好きの女の子なんて滅多に居ないわよ……。でも、そうね…」




私、八尋寧々!クラスの謎のイケメン転校生、榊Aくんとひょんなことから怪異(花子さん)に脅され放課後二人でトイレ掃除をする羽目に……っ!



二人は協力し合い、共に汗を流し、無事に怪異(花子さん)を打ち負かして結ばれるのだった!



「ふふふふふ……」



彼女が何を想像しているのかは知らない。知らないけど1人で笑うその姿に片頬がヒクヒクする。


控えめに言って怖いよ……八尋さん。



「ま、まぁ……確かに、放課後にずっとトイレ掃除をするのは可哀想かも……。」


八尋さんにだって都合はあるだろうし、友達と遊びたいって時だってあるだろう。


「ざーんねんっ」


ガチャりとドアを開く花子くん。



太陽の眩しい光に少し目を細める。屋上へ続いてたんだ。



「俺は楽しみにしてるんだけどな……」



いつの間にか、屋上の柵に肘を着いて空を見上げている花子くんが話す。



「放課後一緒に誰かと仲良くしたり、どうでもいい話をしたり……そういう友達っぽいの。なんだろ……懐かしい。」



彼の背中は何処と無く寂しそうに見えた。



八尋さんと目を合わせ、同時に微笑む。



「花子くん……って呼ぶね。その方が友達っぽいでしょ?」


「ふふっ」



花子くんを挟むようにして隣に並ぶ。彼は驚いて僕達の顔を見た後に、へにゃっと笑った。


そんな彼の顔を見てほっこりする。こう見るとやっぱり年相応で可愛いよ。



なのに




なんで……怪異になんてなっちゃったんだろう…。

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イロハ(プロフ) - thirdさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです^^*更新、頑張ります! (2021年2月10日 13時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
third - ヤベー!メッッチャお上手ですね!最高すぎる…続きめっちゃ気になります…応援してます! (2021年2月9日 20時) (レス) id: ea6df43fbb (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります(´˘`*) (2020年11月23日 17時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!夢主くんの過去や普、花子くんとの関係が気になります!更新頑張ってください (2020年11月23日 11時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年11月19日 11時

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