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戯言2-37 ページ39

「そう言えば思い出したんだけど。」


ここまで来るまで本当に長かった。
じんわりとした気持ちを胸に噛み締めていると、唐突に腕の中のAは話し出す。


「父さんが生き物は皆同じだって言った話をしただろ?」


「あぁ、確か……

『生き物は皆同じなんだ。動物も、人間も、平等に生きてる。悪い事をしたら神様が俺達生き物に平等に裁きを下す。』


だっけか。」


そうそう。実を言うとね。その話には続きがあるんだ。


「続き?」


そう。



『生き物は皆同じなんだ。動物も、人間も、平等に生きてる。悪い事をしたら神様が俺達生き物に平等に裁きを下す。




……なんて、唯の戯言だな。本当は神なんかいねーし、もしいたとしても俺が殺してやるよ。



俺は今から死ぬが、お前も俺を殺ったやつを殺したら来いよ。それがパスポートになる。一緒に俺たち家族が生きやすい最高で最悪な世界を創ろう。


……地獄(むこう)で待ってるぜ。』


その直後に彼は死んだ。
脳天を1発ぶち抜かれて。



「…ってことは、自分が死ぬことを知っててっ……!?」


「『出る杭は撃たれる』……この言葉も満更でもねーな。」


といっても、その杭を打った神様とやらも今では悔いになってんじゃねーの?


「打たれるか打たれないじゃない。打つか打たれるか…………次の世界が楽しみだね。」



そう言ってAはニヤリと嗤った。
楽しそうに、愉快そうに、何かを企んだように。




彼は変わらない。
例え世界が変わろうとも。
彼は生き方を変えても生き様は変えない。



「心配しないでよ。工藤君。」



その強烈な生き様に周囲が巻き込まれていく。






なんのことは無い。
唯の戯言だよ。


「唯の……戯言だよ。」



──唯の戯言2 fin──

あとがき→←戯言2-36



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イロハ(プロフ) - いろ#病み兎さん» 読んでいただき本当にありがとうございます´`*そんな風に言って頂けて凄く嬉しいです。多少ひねくれててもいいんです!皆がみんな漫画の主人公みたいに生きれません!笑共感、ありがとうございます´ω`* (2020年12月8日 12時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
いろ#病み兎(プロフ) - コメント失礼します。俺のめっちゃ好みの作品でした。俺自身、多少ひねくれているところがあって、なんとなく共感。話の内容から文章まで全部好きです。もう少し早く読みたかったなぁ… (2020年12月7日 23時) (レス) id: eab5cadf24 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - いちごミルクさん» ありのままを受け入れてくれてありがとうございます^^*大好き。 (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - トアさん» 全然失礼ちゃう!どんどんして笑爆走します。風のように。コメントありがとうございます^^* (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - なゆさん» めっちゃ嬉しい!ありがとうございます^^*頑張る!更新!!楽しいありがとう!! (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年7月2日 8時

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