【名探偵コナン】唯の戯言 Part2

戯言2-2 ページ3

「お帰り〜。」


探偵事務所のソファーにまるで自分の家かのように寛ぐ男。


「A君！？どーしてここに……？」


「冷たい事言うなよ。かつて同じ屋根の下で熱い夜を過ごした仲じゃないか…。」



こと、神代Aだよ！


蘭ちゃんがプンプン怒ってるが、僕に聞く気が無いことを悟ったのか半場諦めた顔をしていた。


真純ちゃんはその隣で口を開けて大笑いしている。ボーイッシュというのは女の子ならではの武装だと僕は思っている。


武装した女の子と生身の僕。
胸を張って白旗を掲げるね。



「あはは！相変わらずで安心したよ……。てっきり、園子君が言っていたことを根に持ってるかと思ってたけど、見る限り大丈夫そうだね。」



「女子高生の言葉をいちいち根に持つほど僕は根暗じゃない。」


でも、まぁ……園子ちゃんは少々意地っ張りな所があるからね。そこが彼女のチャームポイントでもあるんだけど。


「意地っ張りな彼女にちょっとした意地悪をしたくなったんだ。」


好きな子ほど虐めたくなる。それは男子が生まれながらに身につけた本能だ。


我ながら僕もれっきとした男なのだと思わされる瞬間でもある。


「じゃあぶっちゃけ西と東……どっちが名探偵なんだ？」


彼女達の話を背後に棚にあった適当な推理小説を読む。数ページ読むが全くもって面白くない。


「この西の高校生探偵、服部平次の方がめちゃめっちゃ上やっちゅうんじゃボケ！！！」


工藤君が何故こんな本を好き好んで読もうと思ったか分かりたくもないね。


「ちょっと失礼。」


立ち上がって服部君の横を通り過ぎる。


棚にあるのはどれもこれも難しい本ばかりだ。漫画とか置いてねーのかよ。今すごく体が縮んだ高校生が主人公の漫画が読みたいのに。


「誰やこの兄ちゃん。えらいマイペースやのぉ……。」


「A兄ちゃんだよ。」


コナン君が勝手に個人情報をペラペラと話す。探偵の癖に守秘義務はどこへやら。


「あんたが男やのに工藤を惑わしているっちゅう噂の兄ちゃんか！」


「おいおい惑わしているのは工藤君の方だぜ？僕は彼からの熱い求愛に今にも火傷しそうなのを防ぐので精一杯なんだからさ。」


上からコナン君を見下ろしながら服部君にそう伝える。彼もそれに気づいたのか同じニヤニヤ顔で工藤君を見下ろした。


その後、和葉ちゃんから服部君に連絡があり近くのファミレスで死人が出たとか。


今回は僕もある事情があり同行することにした。事件には興味は無いが、絶対に今回だけは行かなければならないのだ。

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