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戯言2-17 ページ18

「私は男になんざ興味はない。ただお前にあの時の報復がしたいだけだ。」



一際年老いたおっさんが僕にパンツを履かせる。ぬかったな。


「グッ……!?」



数歩下がったおっさんの目から血が溢れ出す。今までの会話の間僕がされるがままだと思ったら大間違いだ。



シャツの袖口に隠しておいた針金で腕の拘束は解いた。なんの為の隠しナイフだと思ってるんだ。


「相変わらず詰めが甘ぇ。」



袖口にも大量の小細工が詰め込まれている。腕を震えば吸い込まれるようにナイフが両手に流れ出てくる。


それをしっかりと握り周囲の男たちの眼球目掛けて投げた。



「次からは人質には逃げられないようにしっかり目に焼き付けておくことだね。もっとも……焼き付ける目があればだけど。」



「警察だ!!手を挙げて観念しろぉ!!」



倉庫の扉が開き一斉に警察が突入してくる。中には工藤君と安室さんもいた。





「黒羽君のお陰で助かったよ。」


「んな大したことはしてねぇよ。ちょっとジィちゃんに連絡したんだ。秘密の方法で。」



やり方企業秘密なんだと。ま、この際なんでもいい。そのお陰で僕は人を殺さずに済んだのだから。


この血の惨劇に工藤君を含め皆びっくりしていた。だって扉を開けたら殆どパンツ一丁の男が返り血を浴びて立ってるんだから。


「てめーまた俺を騙しやがったなっ!!」


顔にサッカーボールのあとが着いた例のリーダー格の男に話しかけられる。パトカーに乗せられる所だ。



「騙したなんて人聞きの悪いこと言わないでよ。僕はあくまでも被害者だ。」


君達が前々から僕の近辺を嗅ぎまわっていることは気づいてた。黒羽君を巻き込んでしまったことは申し訳ないが結果的にいい方向に進んだ。


「ぶっ殺してやる!!跡形も残らないように汚く犯してゴミ箱で生ゴミと一緒に燃やしてやる!!」


「せいぜい鳴いてろよ。君が今から行くのはゴミ箱よりも汚い牢屋(豚箱)なんだからさ。」


暴れだした男が警察から拳銃を奪いこちらに向ける。鈍い発砲音が鳴り響いた。



ゆっくりと地面に倒れる。工藤君が焦った顔をして走ってくるのが見えた。



「A!?……血が、」


「平気だよ。撃たれたのはこいつだから。」



頭部から大量の血を流して倒れる男。結局彼の名前は思い出せなかった。


父さんの時と同じように……脳天を撃たれて男は絶命した。


「あのビルから……。」


「あぁ……多分俺の知り合いだ。万が一の為にそこに待機してもらったんだ。」


知り合い……その言葉に心当たりがあった。

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イロハ(プロフ) - いろ#病み兎さん» 読んでいただき本当にありがとうございます´`*そんな風に言って頂けて凄く嬉しいです。多少ひねくれててもいいんです!皆がみんな漫画の主人公みたいに生きれません!笑共感、ありがとうございます´ω`* (2020年12月8日 12時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
いろ#病み兎(プロフ) - コメント失礼します。俺のめっちゃ好みの作品でした。俺自身、多少ひねくれているところがあって、なんとなく共感。話の内容から文章まで全部好きです。もう少し早く読みたかったなぁ… (2020年12月7日 23時) (レス) id: eab5cadf24 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - いちごミルクさん» ありのままを受け入れてくれてありがとうございます^^*大好き。 (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - トアさん» 全然失礼ちゃう!どんどんして笑爆走します。風のように。コメントありがとうございます^^* (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - なゆさん» めっちゃ嬉しい!ありがとうございます^^*頑張る!更新!!楽しいありがとう!! (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2020年7月2日 8時

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