戯言2-16 ページ17
《速報》ピンク表現有り
---✄------キリトリセン------✄---
「またいつものハッタリか?お前の嘘はもう聞き飽きた。」
指の本数が3本になり、捻じるように奥へ入れたり出したりを繰り返す。
「あへぇっ……!?ス、ストップ!!分かった、謝るから!!」
その言葉に男の手が止まる。相変わらず入ったままだが、僕が話すための時間をくれたようだ。
「僕が悪かった!!今なら君のご両親にもあれは嘘だったと弁解するし……君の恋人にだってどうにかして君の元へ戻るようにセッティングするから……!」
暫く沈黙が続く。自身の冷たくなった汗が頬をつたる。
異物感と腹の圧迫感が無くなる。考えを改めてくれたようだ。こいつが単純な男で助かった。
「今度こそ本当だな?……二言は言わせねぇぞ。」
「僕が嘘を付いたことあるかよ。」
「よく言うぜ。」
これも嘘だったら今度は容赦しねーぞ。
「じゃ、これで俺個人の用事は済んだ。後はこいつらの相手をしろよ。」
立ち上がり踵を返した男が片手を上げてそう言う。
言い返すよりも先に残ったあいつの仲間達が僕の体を取り押さえる。
上半身を起き上がれないように1人が頭の上から肩を抑える。足は片方ずつ腕で固定されているためひ弱な力じゃ振りほどくことは出来ない。
「おい汚ねえーぞ!!」
黒羽君が僕の代わりに叫んでくれた。
「汚い?俺が?俺は綺麗好きだ。その男への用事が終わったからそれ以上の事はしない。こんな綺麗さっぱり帰る悪党他にいねーだろ。」
それに、
「俺よりもあそこにいる神代Aの方がよっぽど汚い。その身に合う末路を選んでやったんだから感謝こそされ恨まれる筋合いは無い……だろ?」
✯
昔と形勢逆転された気分はどうだよ神代。
あの時の俺はどうかしていた。お前に従えながら共に一緒に居る事が嬉しくも思っていた。お前のやり方を傍で見て憧れを抱いていた。
お前が悪いんだ。俺を裏切らなければこんな事にはならなかったんだから。
裏切らなければ、俺にとってもお前にとっても最高の中学生活を送れていただろう。なのに。
「……命を奪わなかっただけ有難いと思え。俺が当時のお前だったらこんな物で済まなかったぞ。」
今の神代Aにはガッカリだ。友達ごっこなんか疲れるだけだって言っていたのに。
拉致する前に見たあの男の表情を思い出す。
「汚ねえな。俺も。」
この気持ちをここから立ち去ることで消去させる事にした。
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イロハ(プロフ) - いろ#病み兎さん» 読んでいただき本当にありがとうございます´`*そんな風に言って頂けて凄く嬉しいです。多少ひねくれててもいいんです!皆がみんな漫画の主人公みたいに生きれません!笑共感、ありがとうございます´ω`* (2020年12月8日 12時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
いろ#病み兎(プロフ) - コメント失礼します。俺のめっちゃ好みの作品でした。俺自身、多少ひねくれているところがあって、なんとなく共感。話の内容から文章まで全部好きです。もう少し早く読みたかったなぁ… (2020年12月7日 23時) (レス) id: eab5cadf24 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - いちごミルクさん» ありのままを受け入れてくれてありがとうございます^^*大好き。 (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - トアさん» 全然失礼ちゃう!どんどんして笑爆走します。風のように。コメントありがとうございます^^* (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
イロハ(プロフ) - なゆさん» めっちゃ嬉しい!ありがとうございます^^*頑張る!更新!!楽しいありがとう!! (2020年7月22日 18時) (レス) id: b47f502e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イロハ | 作成日時:2020年7月2日 8時