戯言3-5 ページ6
何度振り落とされそうになったことか。
ミラ王女の命を狙う輩と不二子ちゃんが銃撃戦を繰り広げる。やっと追い払ったと思ったら次は……
「ちょーっと飛ばすわよ!」
後ろからスケボーに乗ったコナン君が追いかけてきていた。荷台に座らされた僕を鋭い目で見詰める。
やめろよ。僕だってまさか荷物扱いされるなんて思わなかったよ。
ジェットコースターのように橋の上を登っていく。本来なら自動車が通れるような場所では無い。とゆーか通ろうとすら思わないだろう。
流石にコナン君も着いて来れないかと思われたが、目の前から対面するようにスケボーが走ってきた。
「イヤ〜ン♡どいて〜〜ン♡」
正面からぶつかる寸前でコナン君は道路に飛び降りた。その際バランスを崩したバイクからミラ王女が投げ出される。
「キャッ……!?」
不二子ちゃんが焦ったように手を伸ばすのが見えた。
「おいおい、人質を殺すつもりかよ。」
落ちそうになった王女の腰に手を添えて支える。
「どうやって……!?」
「女の子は丁寧に扱うもんだぜ。」
僕はいつだって自由に動けたんだ。つまるところ、逃げることも、反撃することも出来た。
今だって僕が手を離せば彼女は橋の下にある川に真っ逆さまだ。
道路に降りてコナン君と対面する。
「おいA!今度はなに企んでやがんだ!」
当然のように疑いの目を向ける。え、仮にも恋人の心配が先じゃないの?性格悪いなぁ、ちょっと引いちゃうよ。
「人聞きの悪いこと言うなよ!たった今誘拐されて震えるぐらい怖い思いしたんだから、優しい言葉ぐらいかけれないの?」
全く震える素振りもないが、ムッとした表情で言い返す。
「おめーの普段の行いのせいだろ!ってそんなことより!!」
カチンと頭に来た。
「ふん!良いよ。あんなやつほっといて早く行こうよ不二子ちゃん。早くしないと捕まっちゃうよ?」
「え?え、えぇ…」
ブロロロっと音を立ててバイクが走り出す。後ろの方から工藤君の叫ぶ声が聞こえるけど知らなーい。
ちょうど今の生活には飽きてきた所だったんだ。工藤君はずーっと監視してくるし、行くとこ行くとこ着いてくるから息苦しくてたまらなかった。
ちょっとした家出に僕もあやかってみよう。
✮
橋の上で1人取り残されたまま暫く呆然と立ち尽くす。道の先にはもうあいつの乗ったバイクは見えなくなった。
「一体今度は何するつもりだよ…」
焦る気持ちを抑えて必死に考える。ぜってぇ逃がさねーからな、A……!
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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イロハ | 作成日時:2023年12月24日 19時