戯言3-3 ページ4
カチャっと音が鳴る。それと同時に背中に硬いものが当たった。
「下手に動いたら危ないわよ〜♡」
少し目を見開いて彼女を見る。いたずらっ子のように微笑む彼女が僕の背中に小型の拳銃を当てていた。
「A兄ちゃん、何してるの?僕ジュースが飲みたいなー。」
「あぁ、ごめんね。直ぐに行くよ。」
イライラした感情を子供らしい笑顔に包んだコナン君が来る。ほら早く、と言わんばかりに僕の手を掴んで、不二子ちゃんから引き剥がすように引っ張った。
僕はコナン君と手を繋いで歩き出す。こんなパーティ会場で事件を起こしたら、自分の計画の邪魔になるもんね。
彼女も馬鹿じゃない。馬鹿だったらとっくに捕まってるだろう。だから僕はあえて何事も無かったかのように振る舞う。
コナン君に連れられるまま、ちらりと後ろを振り返った。眼光は鋭いが、笑顔を浮かべた彼女と目が合った。
✯
少し離れた所で俺の恋人はまた他の女の人に対して夢中になっている。いつもの事だ。毎回毎回反応していたらキリがない。
つい数日前は離せと言っても抱きついて離れなかったのに。
Aの話し相手を見る。確かに綺麗だ。サングラスをかけているため顔ははっきり分からないが、すっと通った鼻筋にぽってりとした唇。そして、大きい……。
気にしないように会場を見渡す様にしてもチラチラとあの2人を見てしまう。楽しそうに笑うAを見ていたらだんだんイライラしてきた。
落ち着け。俺は見た目は
大丈夫、Aは俺のことが好きなんだから。そう心に念じて2人に視線を戻す。
「あんにゃろ……」
さっきよりも距離が近い……というか近すぎんだろ!!
ほぼゼロ距離で横に並ぶ彼らをみて限界を迎える。とりあえず、いつものように子供らしい笑顔で彼らに話しかけることにした。
「A兄ちゃん、何してるの?僕ジュースが飲みたいなー。」
ほらさっさと離れろよ!Aの手を掴んで引っ張る。こんな小さな子供の面倒もみれないやつだって思われんぞ。
「あぁ、直ぐに行くよ。」
特に抵抗もなく着いてくるこいつに違和感を覚える。なんだ?思ってた反応と違う。
あまり良い会話は出来なかったのだろうか。隣にいるAを見上げる。Aは何か面白い物を見つけた時に決まって見せる、深い笑みを浮かべていた。
とても嫌な予感がした。
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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イロハ | 作成日時:2023年12月24日 19時