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戯言3-28 ページ29

たしかに、そうしたらAは楽になれるのかもしれない。


でも、


「駄目だ。こいつはやらねーよ。」


じっとルパン三世を睨みつける。


「Aはモンスターなんかじゃない。こいつはちゃんと衝動をコントロールしようとしてる。努力してるんだ。」


ミラ王女が決心をした日、Aは安心したように見えた。


こいつにだって情もありゃ、感情だってある。何にも知らねー癖に。


確かに何考えてんのかわかんねーし、言うことデタラメばっかだ。けどな、


「努力は無駄にすんな。」


「工藤君……」


思いの丈をぶつける。というか、こいつは探偵になるんだ!それも俺と一緒に!!






「ぬふふ……うひょひょひょ〜」



ルパンの独特な笑い声が響く。


「あ〜ん、残念♡せっかく良い助手が見つかったと思ったのにぃ〜。…ま、性別を超えた若々しい愛も見れたわけだし♡見守っちゃおっかな」


性別を超えた愛……


「な、なんで知って……!?」


Aとの関係は一部の人しか知らないのに。


「まさか、今ので気づかないとでも思ったのか?Aが気の毒だ。」


パパの言葉を聞いて、ふとAの顔を見た。


「なっ…!?」


片手で口元を押えてそっぽを向いていたが、耳元が赤く染っていた。こんな反応は初めてだ……あのAが照れた!?


「お熱いこって!」


逃げられない車内では縮こまるしか手段がない。だが、珍しく照れたAが可愛くて仕方がない。できることなら、その姿は俺だけに見せて欲しかった。


「ゴホン、それで本題に入るぞ。」


長い前置きが終わりやっと本題に入る。





「そんな波乱万丈な人生を送る神代A君は、一体いつ俺たちのことを知ったんだ?」


どれだけ調べても出てこない。そりゃそうだろうな、工藤君の時だってそうだったし。


「あ〜…」


「そうよ!依頼の話だって嘘だったんじゃない!なのになんで私が依頼で動いてることも知ってたワケ?」


工藤君には漫画の話をしたから、同じように説明してもいいんだけど……ふたつの漫画がコラボでーって……


正直に言うと話すのが面倒臭い。


「ちょっと僕、未来予知能力があってさ!」


「……」


沈黙が流れる。あ、これもしかしなくとも信じてない?



「そーなのか?工藤君や」


「え?え、えーと……あはは」



こんな時だけ子供に戻りやがって。


質問攻めに合うがのらりくらり。答える気がないと悟ったのか困ったようにルパンがため息を着く。


工藤君がいるから、ということで信頼は置いてもらった。これ以上聞かれることは無かった。

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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2023年12月24日 19時

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