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戯言3-16 ページ17

全く返信が無い。あいつ、携帯の電源切ったな……


あいつの位置情報が消えた。俺が前もってAの携帯に忍ばせたGPS機能が使い物にならない。


服に着けても良かったが、洗濯等で1日毎に回収するのには無理がある。だから携帯に忍ばせてたんだが、まさかここまで俺の連絡を拒否されるとは思わなかった。


「クソっ」


なんで無視するんだ。考えられる理由はやっぱり…。


だって、あいつはおかしい。自他ともに認めるぐらいだし、危うくて目が離せない。


沢山の人に恨まれる様なことをした。あいつのことを知ってる俺からしたら、悪いことをしているやつを同じような目に合わせているということは分かる。だけど、犯罪に犯罪で返したら駄目だ。


探偵だって人から恨まれる。犯人からは勿論、その人を大事に思っている人から恨まれる。だがそれも仕方ないことだ。


同じではないが、少しだけAの気持ちが分かるんだ。立場とかさ。


だから、やってることは悪いことだけど、根っから悪だとは思わない。というより悪になって欲しくない。これは俺の願望でもある。



自販機で怪しいおじさんに会った帰り道。その道中ポケットに入れていた携帯のバイブ音が鳴る。


まさか…。


予想通りというか、期待通りというか。あいつから返信が来た。初めはイライラしてたまらなかったのだが、待ち侘びた彼の連絡に胸が高鳴った。



『やぁ、お土産は何がいい?』



…呑気な返事にぶり返す感情。一言言ってやらないと気が済まねぇ。


自分がさぞかし悪い顔をしているだろうことは分かっていた。自覚した上で、やっと携帯の電源を入れたAに対して優越感を覚える。



案外近くに示された位置に驚く。だがこれ程まで運がいいことは無い。


足早にそっちの方へ向かった。パパはお酒を飲みに店に行ってるから、Aを見つけて、直ぐに連れて来よう。そう思って歩みを進めた。





路地裏の奥でAが、彼よりも大柄な数人の男に囲われているのを見つけた。


不味い。咄嗟に走り出す。


「金を出せ。」


Aはあの大人しそうな、一見無害そうな顔をしているため、悪い奴に狙われやすい。そしてそれを自覚しているあいつはわざとそれを利用する。


ほら見てみろ。あんな場面に出くわしたら一般の人は普通怖がる。でもあいつは違う。普通じゃないんだ。


男達の背中越しに見えた彼は笑っていた。不気味に口を歪ませて。


俺が案じているのはあいつの身でもあるが、それ以上に、人としての道を踏み外すかどうか。ただそれだけなんだ。

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イロハ(プロフ) - セイさん» セイ様へ、長い間お待たせてすみません。ですが覚えてくださった方がいてくれてとても嬉しいです。コメントまでして下さって、もっともっと精進しつつ続けていきたいと思いました。これからもよろしくお願いします*ˊᵕˋ* (1月10日 11時) (レス) @page16 id: 7c23aeb2f0 (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - 続編ありがとうございます。更新通知が来て舞いあがっちゃいました。また神代君の戯言が見られて嬉しいです。欠けた心を持つ神代君と彼に振り回される主人公達が大好きです。次の更新も楽しみにお待ちしております。 (1月10日 8時) (レス) id: ec218c72f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イロハ | 作成日時:2023年12月24日 19時

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